柴犬 森田まさのり短編集
今回は森田まさのりの短編集「柴犬」の紹介を。
表題作の「柴犬」は漫才コンビの話ですわ。
オールカラーコミックが2本、柴犬が前後編で2本、「ギャングエイジ」と言う小学生が主人公の話、「殺し屋も笑う」というヤクザがらみのラブストリー、砂ーSABAKU-漠
と言うレフェリーが主人公の漫画が収録されてる。
ちなみに、「殺し屋も笑う」の主人公の名前は大場英次郎、大場政夫と村田英次郎をくっつけたネーミングですな~
カラーコミックの1本がボクシング漫画なんで紹介します。
ALL THE WAY DOUN
5ページの超短編ですわ。
借金苦でヤクザに八百長を強いられたボクサー。
彼には別れた女房と子供がいる。
この日は子供の面会日でもあったのだ。
いつか男同士の話がしたいそう願っていたボクサー。
相手のパンチをもらう父親を涙を流して応援する息子!
その姿を見た瞬間、ボクサーとしてか、父親の誇りか?相手を倒してしまうボクサー…
後楽園ホールの前でボクサーを待つ母子。
控室で腹を赤く染めて倒れてるボクサー…
(完)
昔のボクシングドラマのパターンで八百長強制されるというのがある。
実際世界タイトル戦以外の試合でそれほど大きな金が動くことはないやろうから八百長試合はあった可能性はあるけどそれに絡んだ殺人とかってあったんやろうか?
まぁ海外や昔の日本だと賭けの対象になってたからそれもありかもしれんな。
ただこのマンガは現在の日本が舞台。
まぁ裏社会のことはわからんけどなぁ~
ただ後楽園ホールの控室でで殺すことはないでしょう~
砂ーSABAKU-漠
芦原忠はJBCのレフェリー。
最近の試合はストップが早すぎると止めた選手の会長から苦情が。
しかし芦原には確固とした自分の基準があった。
目が死んでる選手は止めるが目が生きてる選手はストップしないというポリシー。
しかし、過去にその判断をして選手を死なせてしまっていたのだった…
その死なせてしまった選手、二宮の墓参りをする芦原。
二宮の弟、泰彦と墓場で会うと兄の四十九日に試合が決まったとのこと。
そのレフェリーを芦原が務めることに…
そして試合当日。
泰彦は責め立てられクリンチ、ホールドの連続でしのぐが芦原に減点を取られる。
死なせてしまったボクサーの弟とはいえリングに私心を持ち込まないのがレフェリーなのだ。
泰彦がダウン。
立ち上がる泰彦。
だが勝負を決めに来た相手の猛攻に再びダウン!
芦原は泰彦の目を見据えた。
自分の信念に基づき、再会を促す芦原。
結局、試合は判定に持ち込まれ泰彦は敗北。
芦原は8ポイントの差をつけて相手側の勝ちにしていた。
後楽園ホールからの帰り道,泰彦が芦原に声をかけてきた。
「あきらめないで最後まで戦えたから満足してます きっと兄貴もこんな気持ちだったと思います 最後までやらせてくれて… とめないでくれてありがとう」
それだけ言って去っていく泰彦。
涙を流しこうつぶやく芦原
「やっと救われた気がする… 俺は間違ってなかったのか…」
(完)
レフェリーと言うのは本当に縁の下の力持ちというか、ものすごく大事な仕事にも関わらず、だれからも賞賛されない影の功労者である。
リング過が多発する現在、レフェリングに対する批判が最も先に言われるのだ。
心無いファンはすぐにレフェリーを責める。
ストップが早いと文句を言い、遅いとまた文句を言う。
選手を死なせてしまったレフェリーは生涯自分を責め続けてしまうのかもしれない。
泰彦が言ったようなことをレフェリーに言うボクサーはほとんどと言ってよいほどおれへんちゃうか?
レフェリーをほめるボクサーはオイラは見たことないな…
でも、安い報酬でボクシング運営の為だけに頑張ってくれているレフェリーにはファンもボクサーもジム経営者も感謝しなくちゃあきまへんで。
オイラは試合会場に行ったらレフェリーに帰りにお疲れ様と言うことにしてる。