高山「ただいま」初防衛で絶叫！来春にも海外統一戦だ

　◆プロボクシング　亀田祭りトリプル世界戦　▽ＩＢＦミニマム級タイトルマッチ　○高山勝成（判定３―０）ビルヒリオ・シルバノ●（３日、大阪・ボディメーカーコロシアム）　ＩＢＦ世界スーパーフライ級王者の亀田大毅（２４）＝亀田＝が、前代未聞の不可解裁定でＩＢＦ王座を防衛した。ウエートオーバーで王座を剥奪された前ＷＢＡ同級王者のリボリオ・ソリス（３１）＝ベネズエラ＝に１―２の小差判定負けで王座統一に失敗。しかし、ＩＢＦ側は大毅が負けなら王座は空位になるとした前日までの説明を翻し、ソリスの計量失敗の時点で勝敗に関係なく、大毅の初防衛が決まっていたと説明した。ＷＢＯ世界バンタム級王者・亀田和毅（２２）＝亀田＝、ＩＢＦ世界ミニマム級王者・高山勝成（３０）＝仲里＝もＶ１に成功した。
　初防衛成功を告げるコールに続き、マイクを手渡されると、高山の心は高ぶった。「みなさん高山です。ただいま大阪に帰ってまいりました」。３団体３色のベルトをまとい、４年５か月ぶりの国内リングで絶叫した。
　初回。右のオーバーハンドのフックを顔面にヒット。１１回には往年のヘビー級王者ムハマド・アリのフットワーク「アリ・シャッフル」も披露した。「１０、１１回の一番しんどいラウンドに、そんなことやられたら相手はどう思います？」。観衆のハートと、挑戦者の冷静さを同時に奪う技を体得したのも、海外でのリング経験のたまものだ。
　０９年１１月、ＩＢＦかＷＢＯでの世界王座奪取を目指し、当時は両団体を承認していなかった日本ボクシングコミッション（ＪＢＣ）に引退届を提出した。国内ではＪＢＣ加盟ジムで練習できないため、公園で立ち木を相手に練習した。地元の声援を背に圧倒の３―０判定。「１２回２分５０秒でＫＯできたら良かったんですけど」と苦笑いしたが内容には大満足。次戦は来春、ＷＢＣ世界同級王者・熊朝忠（３１）＝中国＝との団体王座統一戦を中国か米国で行うプランもある。日本でただひとり３団体での王者経験を持つ高山が日本人初の海外での団体王座統一へ突き進む。
　◆高山　勝成（たかやま・かつなり）１９８３年５月１２日、大阪市生まれ。３０歳。グリーンツダジム在籍中の０５年４月にＷＢＣ世界ミニマム級王座獲得、同８月に陥落。０６年３月に日本同級王座獲得。同１１月にＷＢＡ世界同級暫定王座を獲得したが、０７年４月の統一戦で正規王者の新井田豊に敗れ陥落。０７年１０月に真正ジム移籍。０９年秋にＪＢＣに引退届を提出、海外で活動。今年３月にメキシコでＩＢＦ同級王座獲得。７月に国内復帰、仲里ジムに所属。プロ戦績は２６勝（１０ＫＯ）６敗１無効試合。１５８センチの右ボクサーファイター。独身。