トレーナーはマル暴刑事
今回は元WBCバンタム、フェザー級チャンピオンの長谷川穂積選手のトレーナーであり所属ジム、真正ボクシングジムの会長でもある山下正人会長の自伝、「トレーナーはマル暴刑事」の紹介を。
オイラコレ読むまで山下会長はボクシングマニアとばっかり思ってた。
ボクシングマニアで選手経験がないけどトレーナー修行してる人とかも見た事あるしそういう形でボクシングにかかわって行ったと思ってた。
ところがただの健康目的のフィットネス会員でマニアでもなんでもなかったんやよな。
そりゃあ健康の目的にボクシングジムを選んだんやんから好きか嫌いかで答えたらやっぱり好きなんやろうけど普通に好きなだけやったよう。
そんなただの練習生だった山下会長がトレーナーをやることになったのは当時通っていたジム千里馬神戸ボクシングジムのトレーナーがいなくなってしまったから。
現、真正ジムのトレーナーをしてる福田さんが当時トレーナーをしていたのだが、まだ二十代半ばということもありカンバックを決意したのだ。
そこで千里馬会長が練習生だった山下会長に声をかけたのだった。
当時は現役のマル暴刑事、忙しい間をぬって受け持ったの長谷川穂積という事だ。
オイラは山下会長がマニアと思ってたので長谷川選手の才能に気づいてちょこちょこマニアの知識で指導してるうちに千里馬会長にだったらトレーナーしてよってことになったと勝手なストーリーを描いていたが何のことはないただ単に担当を振り当てられただけでそれまでは何のかかわりも持っていなかったようなのだ。
オイラ長谷川選手と山下会長の経営してるタイ料理屋ナムチャイでご一緒したことがあるのだが、本当にシャイでしゃべらない。
そんな人やから最初からすぐにうまがあったわけでは無いのだ。
でも山下会長は本当に努力の人というか、責任感の強い人なんやろうな。
ボクシングを教えることに情熱をもって取組、長谷川選手との信頼関係を築いていく。
こういう所から山下会長がスタッフや選手に慕われる理由というのがわかってくるな。
自分が未経験者で素人というのをしっつかり認め受け持った選手たちに教えを乞うつもりでミットを受け続けたというエピソードを読んで本当に頭が下がる。
ただ、山下会長は努力だけの人かというと違う、やっぱりトレーナーとしての才能があったからこそ世界チャンピオンに育てられたのだ。
その才能の一つに、相手の動作や心理を読み取るカンが人一番鋭いというのがある。
これはマル暴刑として緊迫感のある生活をしてるうちに磨かれたものなのか?元々の才能なのかはわからないがこれは凄い才能やと思う。
そういう能力をフル動員して長谷川選手をどんどん勝たせ育てていく山下会長。
長谷川選手の出世試合は日本ランカー熟山竜一戦ですな。
オイラは熟山が好きやったんで無名の日本人選手に負けてショックやったのを覚えてる。
この強者達を退けた長谷川選手のトレーナーこそ山下会長なのだ!
話は山下会長経歴に移る。
山下会長は野球少年で甲子園をめざし日夜猛練習をこなしていたが夢かなわず普通に卒業、就職することになった時に交番勤務の警官と仲良くなり勧められたらしいのだ。
交番勤務を得て機動隊に配属、そして刑事になるのだった。
自分の希望通り全てが進んだので仕事も出来たんでしょうな。
マル暴刑事と言うのは本当に特別な世界らしくヤクザとつかず離れずの微妙な一をキープしつつ情報を入手したりとかなり精神的にしんどそうな仕事ですな。
ただ山下会長はヤクザの親分なんかと話すときも腹を割って話すというポリシーをもってたらしい。
こういうハードな世界で信頼関係を築いていくというのはそういうもんなんやろうな。
長谷川選手と山下会長は千里馬ジム所属のボクサーとトレーナーやった。
しかしラスベガスで戦うという夢を実現させたい長谷川選手と千里馬会長と目指す所の違いで関係が悪化、そこで信頼のおける山下会長をたよったのだったが、普通なら教え子とはいえ他人の面倒見るために仕事やめてジム設立なんてしないよな。
そこは責任感の塊というか男気の権化とも言える男!
当時はもう刑事をやめて警備会社を経営していたので、ジム設立に乗り出すのだった。
ただ、そう話がうまくいくわけでもなく一時期長谷川選手は練習するジムもなく公園で現会長代行をしてる江藤さんと3人で練習とかしてたらしいのだ。
こういうエピソードを聞くとなぜ真正ジムのスタッフの結束が強いのかがわかるよな。
真正ジムに行って山下会長にこの本にサインを持った時の写真をまた載せときます。
サインしてくれる山下会長。
記念撮影!
サインのアップ!