マイ・チャンピオン -川原正敏原作短編集ー
今回は、「修羅の門」などで有名な川原正敏が原作を担当してるボクシング漫画、「マイ・チャンピオン」の紹介です。
これは原作というよりもアシスタントに描かせたプロディース作品って感じかな?
作画はきむらみつお
「マイ・チャンピオン」、「天よりも風よりも」、「雪煙の彼方に…」の3本が収録されてるが例によってボクシング漫画の紹介しかしません。
この漫画は実在のボクサー、エザード・チャールズの人生をモデルにしたフィクションである。
そんなエディは18歳の時にプロボクサーとしてデビュー、快進撃を続け20連勝をものにする。
結婚もし幸せで順風満帆な生活を送っていた。
そんな時にある試合が組まれた。
控室でバロウズと健闘を誓い合い、将来の夢を聞く。
現在の両者はLヘビー級だが、バロウズは将来階級をあげ世界ヘビー級チャンピオン、ジョニー・ルイス(ジョー・ルイスね)と戦う事が夢なのだ。
そして試合開始!
ダウン応酬の激闘の末、どうにか相手をKOして勝利をつかむエディ。
しかしサム・バロウズはKOの昏倒から再び目を覚ますことなくこの世を去ってしまうのだった…
ショックを受け、ボクシングをやめることにするエディ。
バロウズの葬式でそのことを彼の父親に告げるエディ。
しかしバロウズの父親はエディにあなたがリングを去ることを息子は喜ばないボクシングをやめないでほしいというのだった。
その言葉を胸に再起を決意するエディ。
そこからエディは勝ち続けた。
Lヘビー級の王座は確実とうわさされるほどになったエディだったがヘビー級転向を決める。
そう、亡きサム・バロウズの夢を自分が実現させるためにジョニー・ルイスに挑戦するためにだ!
そんなことは感傷に過ぎないとはわかっているがLヘビー級のチャンピオンの名前など誰も覚えていない、自分がヘビー級王者になれば自分と対戦したサム・バロウズの名前も後世に残るのだ。
ヘビー級に転向し、無謀な増量と言われながらも快進撃を続けヘビー級ボクサーとしての地位を固めていた矢先に挑戦者がいないとジョニー・ルイスが引退を発表…
だが、自分がチャンピオンになり勝ち続ければルイスも自分を認め、リングに帰ってくるという事に希望を託すエディ。
しかし、そんなエディの体は進行性脊髄委縮症という徐々に全身の機能を失っていく病にむしばまれていたのだった…
しかし進行性なのでまだ数年戦えると判断、ファイトを続けタイトル奪取、防衛を続けてとうとう夢がかなうことに。
ジョニー・ルイスとの対決が決まった。
控室で聞く声援、それはジョニー・ルイスへのモノである、本当の王者はまだルイスなのだ。
だからこそこの試合に勝たなければならない。
ジョニー・ルイスとの対戦、本物のヘビー級のパンチに押されながらもアウトボクシングで対抗しダウンを食らいながらも食い下がるエディ。
ダメージで足を使えなくなり、打ち合いに活路を見出し、最終ラウンドに2度のダウンをルイスから奪う。
ルイスはかろうじで立ち上がり勝負は判定へ…
「勝者、エドワード・チャールズ!」
バロウズとともに勝ち取ったベルトを掲げるエディ。
しかしエディの闘いはまだ終わらない。
病気を隠しながらも8度の防衛を果たし、ジョージ・ウォルコットに倒され王座滑落、だれもが引退すると思ったのだが…
ウォルコットからタイトルを奪ったロッキー・アルシアノ(ロッキー・マルシアノね)に挑戦、一度目は判定、二度目は8回KOで敗れリングを後にするのだった。
引退後も病の進行は止まらず、ついには口もきけなくなり財産も失ってしまったが、エディが資金を出した職業訓練校の生徒、元チャンピオンたちによるチャリテー募金などという励ましを生涯受け続け53歳で永眠したのだった。
本物のエザード・チャールズの写真