体験ルポ アメリカ問題児再生教室 殺人未遂、麻薬、性的虐待、崩壊家庭
林壮一さんの本をまたまた紹介。
これはアメリカ下層教育現場の続編にあたる。
アメリカには問題児の為の特別学級”Opportunity School”と言う制度があるらしい。
アメリカ下層教育現場で書かれたように林さんは高校で問題児を相手に授業をしていた折にもっと若い(幼い)うちに教育の大切さを学ばなさ無ければいけないという思いを強くしたようですな。
そこでこの”Opportunity School”と言う制度に望みをかけて見たくなったのだった。
自分の息子が通う学校の校長にこの制度を教えてもらいまず取材をするために校長に紹介してもらっていくことに。
そこの小学部の責任者テイラー・ハーパーはバイタリティーに満ちた、この仕事に情熱と責任感を感じる若い白人女性だった。
この学校にくる生徒の98%の生徒はいわゆるトレーラーハウスを住み家にしているような貧しい生活者で親は失業者でドラッグに溺れてるという有様である…
林さんは奥さんの希望もあり日本に帰ることになったのだが高校生を教えたことで
どうしてもやり残したことがある思いがあったので日本に帰るまでの半年間にまた教壇に立つこと決めるのだ。
その事をインタビューをして知り合いになった元ヘビー級チャンピオン、ジョージ・フォアマンに連絡すると大賛成してもらえたようで4年ぶりに訪ねることに。
そしてフォアマンに色々とアドバイスをしてもらい教師をすることにファイトを燃やす林さん。
まず受け持ったのが担任教師を殺そうとした12歳の少年…
こう書くと極悪に感じるがそれは彼の逃げ場のない怒りがそうさせたのだった。
いじめられてるのにわれ関せずの担任教師に怒りを向けたものだったのだ。
林さんは少年の興味引くために日本語を教えることに。
日本の漫画やアニメはアメリカでも人気があるので子供たちは日本に興味をもっているのだ。
教師と言ってもボランティアなので頻繁にはできないのだが時間を作ってこの少年の学習意欲を引き出すことに成功する林さん。
”Opportunity School”はある程度良くなっていくと元の学校、もしくは別の普通校に戻るのだが彼は元の学校に戻って行くとになった。
次の少年は銃を持って登校した11歳の少年。
彼もいじめられていたのだが別に相手を殺そうとしたわけではなく(銃に弾丸は入ったなかった)脅すためだったのだがやはり問題はある。
この少年は学習能力も高く、優秀だったが集中力がまるでなかった。
担任を殺そうとした少年は結局”Opportunity School”に戻りこの少年と一緒に授業を受けなおすことに。
3人目の少年はシングルマザーに育てらている少年で兄は麻薬ディーラー…
ボクシングに興味を持ち林さんに教えられて真剣にやりだしたいと言い出す。
4人目は親戚の叔父に性的虐待を受けた少女・・・
そういった心に傷を負ったり、家庭環境が著しく悪い環境にいる子供たちを少しでも良い方向に生かせるために学ぶことの大切さを説く林さん。
しかし、家庭環境が悪すぎて悪の道に走らざるを得んようになる子もいるので自分の無力さを嘆くのだった…
そうこうしてるうちに日本へ帰る日が近づいてくる。
高校の時の教え子から連絡を受け、久しぶりに会うと彼らは林さんの教えを守り、勉学に励む努力をしていた。
出来るだけのことはした達成感。
自分のしたことにある程度の満足感も味わえたよう。
日本に帰国して2カ月後、仕事を作りアメリカに降り立ち”Opportunity School”に出向くと元気な教え子の姿が。
これからも機会を作りアメリカに来てここに来ることを誓う林さんだったのだった…
今まで紹介した林壮一さんの本