編集王 その2
とうとう、担当を持たされることになった環八。
その担当とはマンボ好塚だった。
マンボ好塚
マンボ好塚のマネージャー仙台とは色々あって知り合いなので挨拶に。
そこで、マンボ好塚の過去の漫画を読み漁る環八。
過去の名作に触れ痛く感動する環八だったが実はマンボ好塚はもう終わった作家だった…
描くのはネームだけであとは全てアシスタント任せ、そのネームもつまらないが過去の栄光で連載を持ってるだけの存在なのだ。
そして、アシスタント達を仙台が完全に管理しているので、担当は遊んでるだけで済むような仕事だったのだ。(だから問題ばかり起こす環八をそこで大人しく遊ばせておこうという計らいだった)
しかし昔のマンボ好塚の漫画を読んだ環八は現在シャウトに連載中の漫画がくだらなすぎることに怒りを覚えマンボに直接苦言を言うことに。
仙台のはからいでマンボに会う環八。
そこでマンボと喧嘩になり、現在のシャウトでのマンボの不人気ぶりを環八は暴露する。
それを始めて知りショックを受けるマンボ!
半年ぶりに制作現場に向かうがアシスタントたちにも現在のネームをけなされる始末。
酔って仙台に絡み、殴りつけるマンボ。
とうとう仙台は本音を漏らす、「あんたはアル中だ!」
それを認めたマンボは編集者を集め、こんなワシとでも仕事がしたいと言ってくれたら病気を治す、その逆ならペンを折ると宣言。
そこでホテルに各社の編集長が集められマンボが直訴する。
こんなワシでもまだ使ってくれるのかと。
各社の編集長はもちろん、建前上OK,マンボは喜び酒を口にするのだった…
そして酔って暴れまわりホテルマンに怪我をさせてしまい逮捕。
保釈され出てくるがまわりの人間は消えていた…
唯一残った仙台と豪邸を引き払い山奥のボロ屋で一からスタートをすることに…
豪邸が売れなければ借金だけが残るマンボを仙台は工事現場で働きながら支えるのだった。
しかしアル中で筆もまともに持てないマンボ・・・
苦しんでる時に環八が心配をして訪ねてくるのだった。
そして、3人でネーム作りに没頭、作品を作り上げていく。
そのネームを読んで感動した環八は疎井に見せに行くと編集部に乗り込むが青梅たちに止められる。
だが、そのネームを読んだ青梅達も感動、疎井に読ませるのだった。
しかし犯罪者の作品は載せられないと突っぱねる疎井。
そこでペンネームを変え、新人扱いの安い原稿料で載せてもらう強攻作戦を思いつく。
だが、落ちてもマンボ好塚、それは認められないと仙台。
しかしマンボはそれを承諾するのだった。
仙台と二人、まだまだ貧しかった日本で頑張ってきたころのように漫画を描くことに夢中になりだすマンボ。
しかし作品を徹夜で仕上げた朝にマンボは倒れそのまま帰らぬ人に。
完成された漫画の題名は「あした」。
葬式には各社の編集長や漫画家仲間も集まった。
寺の片隅で酒を飲みかわす仙台と環八。
形見分けとしてマンボの眼鏡をもらう環八、仙台はマンボのGペンをもらい、また漫画を描くことを決めたのだった。
ヤングシャウトに新しい編集者明治一郎が配属された。
明治は異常性欲者で、仕事に情熱をまるで持ってないような男だった・・・
明治一郎
担当に付いた漫画家が締切に遅れること以上に嫌い締切に間に合わないのならコピーで済まそうとする体たらく。
しかし仕事ができる人間でもあった。
青梅達が煙たい明治は自分がシャウト編集部を牛耳る位置に付けばよいとの考えから確実に人気の出る漫画を作ることを試案するのだった。
その作戦とは、エロを押し出し、受ける画を載せることだった。
漫画家のオーディションンを行い良い男性キャラを描いた者、可愛い女性キャラを描ける者、裸を綺麗に描ける者を選びユニットを組ませることを提言する。
初めは反発する3人だったが、明治は個別に漫画家と会い、ほかの2人は付け足しだと口車に乗せるのだった。
そしてトリオを結成させ新連載「ぬかずヌルハチ」快進撃が始まる。
連載が始まるのだが、編集部に電話が殺到、エロを前面に出して品がないという苦情だった。
しかしそれも計算のうち、連載作品は人気トップに躍り出て雑誌の返品が0になる快挙に。
そこで明治はメディアミックスを企てる。
ぬかずヌルハツのビデオ発売をし、ますます売れる作品。
しかし、そこでちょっとした手違いでPTA団体を怒らせ女性団体の代表西島洋子が編集部に乗り込んでくる!
そこで疎井は何とかつくろうのだが明治は全てをぶち壊し西島が連れてきたテレビカメラの前で西島を侮辱し完全に怒らせてしまうのだった。
女性団体の一人が政治家とつながりがあり、連載が潰されそうになるのだが、そこは大手出版社、社長が裏で手をまわして危機を回避する。
しかし漫画家の3人が自分のしてることに疑問持ち出し一人が抜ける…
そうこうしてるうちに社長のコネで押さえつけていた苦情ももう限度に立ってしていたのでとうとう社長からエロを一切抜けと言う勧告が。
一挙に人気が下がるぬかずヌルハチ…
そして、明治は写真週刊誌に毎夜違う女性を部屋に連れ込んでる所をスクープされ会社から謹慎処分を食らう…
ここからが明治の回想となる…
明治の家は政治家の家系で超エリートだったが、子供のころから皆にいじめられていた、柔道もして身体も大きいがまったくの無抵抗だった…
高校に入り、初めての友達、大沢ができ、自分をかばってくれる優しい同級生奈保子に恋心を抱く…
3人で楽しく過ごしていたが大沢から告白を受ける。
将来のために君に近づいた、奈保子と付き合ってるが売春をさせているなど…
怒り狂うが奈保子に説得され仲間に。
そしてとうとう奈保子を買い、すべてのピュアさを失う明治・・・
謹慎中に、街をうろついていると大沢と再会、しかしうらぶれたサラリーマンになっていた…
ソープに行くと初恋の人奈保子がシャブ中丸出しの顔で接客。
しかし、警察に追われて逃げてる所を一度かくまってやったヤンキー女、順子が気になり探し出す。
現代は自分で美容室を出していた。
そこでカットしてもらうと順子は明治に助けられていた事を告白。
それを知った明治はすくわれた気持ちになるのだった…
謹慎明けで出社した明治には異例の大抜擢の編集長ポストが用意されていた。
しかし、それを断り海外支社を希望する明治。
今までまったく進歩して生きてこなかった自分を成長させるために旅立っていく明治だった。
連載作品がゲーム化することになり、制作会社に挨拶に行くことになった環八。
行ってみると制作会社の社長は幼馴染のイノケンだった。
イノケン
再会を喜ぶ二人、イノケンには身体の弱い妹トシコがいたことを思い出す環八。
体が弱くて長生きできないと言われていたから完全い亡くなったと思い込んでいた環八の前に今どきギャルのトシコが!
イノケンはゲーム作りに情熱を持っていたのだが今は仕事の為だけにクソゲーを作り続けている。
そんなイノケンが許せない環八は昔の情熱を取り戻さそうと躍起になるのだった。
環八の情熱が通じ、山小屋に新しい仕事場を作りゲーム政策のエキスパートが集まりだすのだった…
さしずめ、漫画黎明期にトキワ荘に集まった漫画家たちのように…
宮史郎太の新入社員時代の話…
若かりし宮
当時は漫画は俗悪なもの、不安に陥る宮の前に現れたのは若く凛々しいやる気満々の疎井。
若かりし疎井
マンボの新人時代、仙台を育てることに情熱を傾けていいた疎井。
若かりし仙台
シャウトで新人3人に新連載をさせることになったのだが、一人の新人は、喧嘩モノ!もう一人はエッチもの、そして疎井が仙台に依頼したものは家族愛をテーマにしたものだった。
喜ぶ仙台に、気合が入る疎井と宮。
しかし、シャウトに電話が。
これを結ぶと拒人の漫画はシャウトにしか載せられなくなるのだ。
何を切るかで即、仙台の漫画が選ばれるのだった…
怒りに満ちた疎井は編集長に食って掛かるが3本とも当たるわけないからどれか一本人気がない奴と仙台の漫画を交代させるという約束を取り付ける疎井。
しかし、3か月後喧嘩漫画も人気、エッチ漫画もPTAが騒ぎ出すほどのブームに、スポーツ漫画の王道、拒人軍漫画が外れるはずもなかった…
そんな時に田舎から純朴な少女が漫画の持込みに。
疎井はその純朴な少女の担当に付かされ、仙台の漫画の連載は結局いつまでたっても始まらなかった…
純朴な少女は編集者の言うことを聴き、没個性でどんどん売れっ子に。
売れっ子になりどんどん派手な都会の女になる漫画家、それについて周る疎井はいつしか漫画への愛情よりも売れる漫画を作ることに考えをシフトしてしまう。
そんな疎井を見て漫画を描くことをあきらめる仙台だった。
シャウトを発刊してる出版社のライバル出版社講学館が香港の財閥に買収される。
そして新社長の椅子には若き財閥の御曹司、陳 子昴(チン・スコウ)が。
チン・スコウ
まず陳社長が宣言したのがライバル社である支配社の「ヤングシャウト」をつぶすことだった!
先ずはお金でシャウトの作家を引き抜くことに。
青梅が育て上げた漫画家骨川サヨリを引き抜くために骨川の仕事場に現れる講学社の「ヤングナッツ」の編集者。
骨川サヨリ
5倍の原稿料を出すと言われても断る骨川だったが、OKするまで居座らせるために連れてきた窓際社員を二人おいていくのだった…
あの手この手を使い骨川を引き抜こうとするナッツ陣営。
陳社長が直接出向いてきた。
骨川がシャウトの漫画家たちのリーダーなので骨川が落ちると後は楽なのだ。
実家の借金まで肩代わりして引き抜こうとする陳にとうとう骨川も折れてしまうのだった…
そして、シャウトの作家は全員抜けていくのだった…
ここから巻き返しを図るためにシャウト側はナッツの企画をスパイし、同じ企画で対抗するなど仁義なき雑誌バトルが展開。
陳は勝つために最終手段、雑誌の値下げを断行!
ここから、本の流通再販制度の問題など、漫画ではなく出版の問題に切り込んで話は進む。
話が大きくなりすぎてオイラはこの辺りの話は好きじゃないんで飛ばします。
結局陳社長は、再販制度の在り方に負けて香港に帰っていくのだった…
問題が解決した翌日、正社員になれそうな環八には突然海外支社に行くことになった青梅との別れが待っていた…
(完)
正直、ツッチーが亡くなった日から勢いで描き続けたのだがかなりしんどかったですわ…
もう、長編漫画の解説はもう、あんまりしたくないわ(苦笑)
実を言うと描きながら泣いてたし…(だから疲れた)