らんぶるライフ はてな版

ボクシングの事書いてます

編集王 その1

 
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今回、紹介する漫画はこないだ亡くなった漫画家土田世紀先生の大傑作!「編集王」。
 この漫画のコミックは版権問題でただ今絶版となってる。
 キャンディキャンディの絵が無断で使われてその辺の問題がちょこちょこ絡んでそうなったらしい…
 これは編集者がちゃんとしてなかったせいで漫画に何も罪はないのだが致し方ありませんな…
 
 主人公は桃井環八、万年10回戦ボーイのプロボクサー。
 この万年10回戦って言い方ちょっと違和感あるな、あまりそういう言い方しないから。
 まぁ10回戦(A級)ボクサーやけど日本ランキングには入らずに勝ち負けを繰り返してる弱くもないけど後少しのボクサーって事なんやろう。
 環八は、子供の頃に読んだ「あしたのジョー」に憧れてプロボクサーになったのだ。
 それが災いして試合の時にノーガード戦法をとりKO負けを繰り返していたのだった…
 そんなジョーになるために生きていた男に死刑判決ともいうべき通告が!
 ”網膜剥離”そうそれを通告されると日本ではボクサーとして生きることを絶たれるのだ。
 
 
 そんな環八には同郷の先輩で漫画編集部(雑誌シャウト編集部)でデスクとして働く青梅広道がアルバイトとして自分の部署に来ないかと誘うのだった。
 そして、リングの王者ならぬ編集の道の王者”編集王”を目指すことに!
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         髪の毛をバッサリ切って編集王を目指す、主人公環八!
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              ヤングシャウト編集部デスクの青梅
 
 往年の人気漫画家マンボ好塚は原稿料ばかり高く現代の読者にアピールできない
お荷物的大御所だった…
 部署の正社員の本占地と原稿を取り行くのだが、まったく面白くない原稿…
 その後二人は飲み屋で本音で語り合う。        
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                       本占地
 
 文学青年だった本占地は漫画が嫌いでしょうがなくサラリーマンとして仕方なくやってることを告白、しかし環八は自分の兄貴分青梅がバカにされたと思い正社員であり先輩である(年は一つ下)本占地に怒りをぶつける。
 今にも殴りかかりそうな環八に大事なボクシングをこんなことに使うのか言われ思いとどまり、本気で編集王を目指すためにもこの原稿をマンボ好塚に付き返そうと言いだす環八だった。
 マネージャーの仙台に漫画突き返す環八、この漫画が面白くなくて誰が困るのかと尋ねられるが、そんな卑しい仕事してるのか切れる環八!           
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                マンボ好塚のマネージャー仙台
 
 では、シャウトを切るだけだ、仙台はドアを閉めるのだった。
 しかししつこく仙台に追及するために先代の家に先回りする2人!
 そして仙台の家には昔、仙台が書いた漫画が大量に保管されていたことがわかる。
 本当の仙台の漫画への情熱を知り自分と同じ匂いを嗅ぎつけた環八は仙台が帰ってくると大人しく引き下がるのだった。
 仙台は原稿が気になり部屋を出るとそこには娘とともに環八と本占地が。
 仙台が原稿を治すのを御見通しだったのだ。
 完成した原稿を受け取り颯爽と引き上げる環八だった!
 
 ヤングシャウト編集部の編集長、疎井はワンマン上司で子犬をゴミ袋に入れて捨てるような血も涙もない男だった。                
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                 ヤングシャウト編集長疎井
 
 偶然、ゴミ捨て場に居た環八は会社のトイレで犬を捨てたたのが自分の上司だと知る。
 現在テレビアニメも放送され人気を博している漫画「ブルセラムーン」の作者小泊浅虫がアンケート調査で一位になり祝勝会が行われることに。
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小泊浅虫
 そこで小泊はもうブルセラムーンは書きたくないと告白する…
 そう、本来書きたくなかったお色気路線、エロ路線を強要され嫌気がさしていたのだった。
 しかし、今やめると会社が損なう利益10億円を払えと脅されるのだった。
 そんなことを聞いた黙ってる環八ではもちろんない(笑)
 青梅デスクと一緒に小泊を連れ出す環八、3人はこれからを考えてスケットを呼ぶのだった。
 そんな時に編集部にアンケートはがきが届く。
 そこには小泊の祖母からのアンケート用紙が何十枚も入っていた。
 それを見た本占地と副編集長の宮(オカマ)はいたって感動、小泊に最終回を書くことを提案するのだった。
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                      宮副編集長
 書きあげた原稿を疎井に渡しに行く小泊達。
 しかしそこにはブルセラムーンの担当編集者の三京が小泊のアシスタントを使って最新話の原稿を上げていたのだった!
 小泊の原稿を観ようともせずにその原稿を印刷所に持って行かす疎井。
 チーフアシスタントがそのまま連載を受け継ぐことになって雑誌は安泰。
 しかしそのやり方に疎井をなじる宮!
 そこで疎井はこういうのだ。
 「その原稿が最高のデキであるのはわかってる、だから読まねえのさ・・・」
 このおっさん、悪役のくせに格好えぇこと言いやがってぇ~(笑)
 下剋上を食らった小泊だったがチーフアシスタントたちにお礼を言い、ブルセラムーンを託すのだった。
 発表はされなくなってしまったが自分思い通りのものが描けて満足する小泊。
 
 大学で漫研に居て、漫画家を目指したが挫折、女性漫画編集として忙しい毎日を送る目白通代。
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                      目白通代
 
 通代に付いて編集者修行をすることになった環八。
 そこで出くわす女性差別・・・
 青年雑誌であるヤングシャウトは作者も断然男性中心、そこで女性編集者である通代は煙たがられて漫画家の方から担当交代を告げられることが続くのだった…
 かなり答えた通代はリフレッシュのためと言って田舎に帰るのだが、半ばこのまま帰ることも考えていた。
 その時に姪が欲しいと言って通代の漫画を持ち出してきたのだがその漫画とは、通代のバイブルだった「キャンディキャンディ」。
 そんな中、環八は本占地の車に強引に乗り込み通代の田舎へと道を走らせ強引に東京に引き戻すのであった!
 
新人賞の選考を行うが良い作品に巡り合わないと嘆く疎井編集長。
 そこで青梅デスクは自ら新人を発掘することを提案するが疎井に相手にされない。
 会社の協力なしで新人を発掘を考える、青梅、通代、環八だったが…
 そこへ本占地は明日はマンケ(コミケのこと)に行くと言うので同人誌の作家から発掘することを思いつく青梅。
 マンケとはコミックマーケットの略語コミケをもじった漫画内の言葉。
 コミックマーケットとは同人誌の即売会みたいなものらしい。(詳しく知りません)
 マンケに乗り込む本占地と環八。
 そこでは商業誌の人間である環八は締め出されたり、ロリコンエロ漫画を見て逆上して暴れたりといつも通りのハプニングが(笑)
 同人作家に追い回され逃げ惑う環八。
 逃げ込んだ先にはマンケ実行委員長の四面道渡が。     
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                       四面道渡 
 
 同人誌の意義とは表現の自由であることを語る四面道。
 そこで環八はマンケ会場であるドーム球場のビジョンを使い同人作家に向かってヤングシャウトに持込みしてくれと宣言。
 しかし、誰も持ち込みに来ない。
 ただでさえ騒ぎを起こす環八は疎井に嫌われていたので首は確定に…
 もう誰も来ないとあきらめていたら同人作家が大量に表れた。
 マンケの会場の後かたずけをする時間があるので遅くなっただけだったのだ。
 
 副編集長、宮のおかげでどうにか首がつながった環八は宮に付くことに。
 宮が家族をないがしろにして仕事をしてきた後ろめたさを知った環八は、次の休みに家族と動物園に行けると喜ぶ宮に同情を禁じ得なかった。
 原稿取りに漫画家晴海の所に向かう二人。
 しかしそこには破かれた原稿用紙があるだけだった…
 晴海のアシスタントを使い破かれた部分を書き直し何とか間に合わせようと繕う二人。
 しかしその作戦は晴海に聞かれていた。
 そんなもので良いのかと環八に詰め寄る晴海。
 天才を自称する晴海にはどうしてもその結末が気に入らないのだ。
 しかし、雑誌に穴は空けられない宮と環八は晴海を無視して作戦を実行する。
 愛人宅にしけこんだ晴海だったが抜群のアイディアを思いつき原稿を描き始める。
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                        晴海
 
 アシスタントの原稿を完成させて印刷所に向かおうというその時に晴海は現れる。
 その原稿を見た宮は家族との約束を反故にしてもその原稿を使うために手伝うしかなかったのだった…
 代わりに家族と動物園に行く環八。
 
 文学誌「絶叫」の編集部に回された環八は編集長五日市と仕事をすることに。
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                        五日市
 
 文学誌なんて全く売れないので出版社お荷物なのだった…
 本屋への営業周りをしてその事実を目の辺りにして落ち込む五日市。
 落ち込んだ気持ちで家に戻ると次は妻からの離縁の願いが…
 辞表を出す決心をした五日市は社長のもとへ。
 社長は同期入社の仲間だったので、そこで今の売れれば良いという漫画やヌードを批判しだすが社長はそれも文学の一つと言う判断を。
 辞表を出した五日市は、自費出版の文芸誌編集に取り組むのだった。
 そして、編集後記に妻への手紙が、それを呼んだ奥さんがその文芸誌を手に五日市の家を訪れるのであった…
 
 持込み担当当番で本占地は、美人で才能のある女子大生、山手さゆりと巡り合う。         
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                      山手さゆり
 
  この女性を育てて一人前にしたいと仕事のおもしろさにのめりこんでいく本占地。
 ボクシング物の漫画描いてもらうために環八に後楽園ホールに連れて行ってもらったりなどの取材して燃える三人。
 その作品を見てもらうために疎井に持って行くのだが、原稿を読みもしないで相撲漫画を提案されるのだった…
 山手の実力は買っているが、ボクシング漫画を連載するつもりは全くない疎井編集長。
 雑誌作りとはマーケティングのっとって決めてるビジネスなのだ。
 怒り狂う本占地と環八だったが、意外にも山手はその案を受け入れるのだった!
 しかし疎井が渡してきた相撲漫画の企画書を読むとあまりにもつまらない…
 企画書を無視した形の原稿を見せてもダメだし、それでもめげずに描き続ける山手だった…
 とうとうしびれを切らして疎井に理由を訊ねると、
「お前らの仕事は新人を育てるのではなく、会社を育てることなのだ、だから没個性で結構!」
 青梅デスクの助言で死んだふりをしろと言われる三人。
 疎井の言うとおりの原稿を描き、連載が始まった。
 だが、人気投票は最下位井。
 10話で連載打ち切りが言い渡されるのだった…
 疎井に文句を言いに行く本占地だったが、疎井の正論に打ち負かされる…
 情熱を失った本占地は以前のように淡々と仕事をこなすだけのサラリーマンに戻るのだったが、ふと山手の持込み原稿を再見し、あることを思いつく。
 サラリーマンとしては完全にアウトだが、この才能をつぶしたくないと思った本占地は自分たちで他社にこの原稿を持ち込むことにしたのだった!
 本占地と環八はいくつもの出版社を山手の兄妹ということにして訪ね歩く。
 そうすることで山手の家にドンドン出版社からの電話が!
 相撲漫画の最終話を受け取りに行く本占地。
 山手に本占地は2人で作ったボクシング漫画のネーム(セリフのみの原稿)を渡し、他社でのプレゼンを勧めるのだった。
 「おもしろい、漫画描いてくださいね、僕が一人前の編集者になったら必ず奪い返しに行きますから!」
 他社の編集者を紹介し山手を引き渡す本占地だった…
 
                                      続く