らんぶるライフ はてな版

ボクシングの事書いてます

ばいばい、にぃに。 ~猫と機関車~

 
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今回は「ばいばい、にぃに。 ~猫と機関車~」と言う漫画の紹介を。
表紙見てなんで猫のメルヘン漫画の紹介やねん!って思うかもしれんけどこれは一応ボクシングもかかわってる漫画なんで。
 作者は柳川善弘。
 最初気づかなかったが巻末のこの漫画のコミックが出来る経緯を読むとジャンプで連載を持ってたと書いてて作者の名前を確認すると…
 前に紹介をしたボクシング漫画DIAMONDの作者柳川ヨシヒロのことだった。
 そういえば繊細なペンタッチがジャンプに似合わない印象を受けたもんな。
 この漫画の登場人物はみんな猫に置き換えられてるからDIAMONDの登場人物とかぶらんかったんでわからんかったわ。
 
この物語の狂言回しは死神、ある男に目をつけたようだ、そのある男とは…
 
 主人公は弐戸、元ボクサーで今は落ちてる雑誌を道端で売って何とか生活をしてるホームレス。
 現役時代の弐戸のファンだったヤクザの組長に目をかけられてはいるが施しを受けようとしないような男だった。
 弐戸は世界まであと一歩と言う大事な時期に万引きを働いた少年を優しくとがめようとした時にパニックになった少年に足を刺されボクサー生命を絶たれたのだった。
 それ以降の弐戸はまさに生ける屍となっていた…
 
 弐戸は子供のころ両親に見捨てられ幼い弟ともにストリートチルドレンにならざるをえなかった。
 仲の良い兄弟で弟の好きなリンゴジュースを自分の分まで飲ませるような兄だった。
 苦労して餓えをしのいではいたが子供だけで生きていくのに限界がある。
 もう嫌になって弟を一瞬だけ見放してほって行こうとした時に弟が倒れてしまう。
 そのまま弟は急性肺炎であっけなく逝ってしまう…
 弟を亡くした弐戸は生きていく意味を見いだせなくなってしまうのだった…
 
 ある時、コンビニのごみ箱を漁っていた弐戸は店員に注意される。
 その店員は偶然にも亡くなった弟シロウにそっくりだったのだ!
 他の人との会話からその店員、次郎はプロのボクサーだったことを知る弐戸。
 次郎のトレーナーを買って出る弐度。
 そう次郎にボクシングを教えることで活きる意味を見出したのだ。
 
 そんな時に、ヤクザの組長が弐戸にジムをすることを提案する。
 今まで生きる糧を失って生きてきた弐戸はもう一度夢を見ることを、活きる事をためらうのをやめる決心をつける。
 
 弐戸が ボクシングを教えているときに次郎は言う
 「ボクシングが本当に好きになった」と
 ただ、次の試合で引退するかもとも。
 それを聞いた弐戸は複雑な心持だった…
 
 ボクシングジムで活気を取り戻した弐戸だったが次郎の次の試合に不穏な動きが。
 対戦相手、雷太はただ今売出し中のホープ中のホープ
 負けさせたくない相手側は次郎に八百長を承諾させる仲介をヤクザの組長に依頼する。
 その時に発覚したのが、次郎は弐戸を再起不能にしたあの万引き少年だったのだ!
 組長は怒り狂い次郎に刺客を送り込む!
 それを知った弐戸は、足を引きづりながら阻止しに向かうのだった。
 雨の中足を引きづり試合会場に向かう弐戸に占い師に化けた死神が言う。
 あなたはこのままいけば死ぬ。
 そして八百長を断った次郎も結局殺される運命なのだと。
 しかし運命はゆらゆら揺れ動くもので、生きるも死ぬもあなた次第なのだという死神。
 彼を助けに行って自分の命を落としてしまったら自分の夢はどうするのだと問いかける死神。
 「それは、困る…」
 
 次郎がリングに向かう廊下を歩いてる時に、近寄って来た刺客の若者を押さえつける弐戸、その衝撃で弐戸の腹にナイフが刺さる…
 セコンドに次郎をリング上げるように託し弐戸は次郎にこう告げる。
 「もしも誰かに詫びるためだけのボクシングならそんなの限界を感じて当たり前だ…」
 それを聞いて次郎は気づく、弐戸は次郎が自分を刺した少年だとわかっていたのだった。
 次郎は弐度から夢を奪った償いとしてボクシングを続けてきたことを告白する。
 だが、弐戸は
「夢を奪われたつもりはない、すべては自分のために…やるべきなんだ…」
 しかし次郎は今更自分のためにって言われたって!と言う。
 「君がボクシングを好きになったというのが本当にうれしかった、その思いだけは奪わないでくれ!」
 リングに上がる次郎。
 激戦を繰り広げる雷太と次郎。
 しかしホープの雷太の手が上がる…
 しかしコールの時に自分も手を挙げる次郎、そう俺は負けてなんかいないと!
 
 霧の中のプラットホームで天国行の機関車が来るのを待つ弐度。
 その時死神が現れ本当に機関車に乗るかと問われる。
 「俺はとても満足してる」と答える弐度。
 「夢を奪われてまでですか?」
 「奪われた覚えはない、いずれ次郎が証明してくれますよ」
 機関車に乗り込む弐戸…
 客席にいると弟シロウがあの時の姿のままでリンゴジュースを差し出してくるのだった…
                                           (完)
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 オイラの解説でどれだけ伝わったかあんまり自信ないけど泣けました。
 これは漫画を見ながら書いてるので書きながらちょっときてます(笑)
 巻末には弐戸がシロウを亡くした後の子供の時の話が書き下ろしで書かれている。
 正直、ボクシング漫画としてどうかって言われると何とも言えませんが、根底に流れるスピリッツは間違ってはいないとだけは言える。
 ボクシングを本気でやってた奴って言うのはボクシングを好きな奴が好きやし、好きになってもらうとうれしいものなのだ。
 オイラはプロは教えてないが練習生がボクシングをどんどん好きになって行ってくれるとやる気も出るしうれしいものである。
 ただ、本気でやろうとする奴だけを偏愛してしまうのも事実…
 うちの様なジムで将来プロになってみようと思う奴は少ないのが現実、だから寂しいのだ…
 でも健康の為だったり、遊び感覚でも良いんでボクシングの事好きになって試合見たり、ボクシング雑誌買うようになって貰いたいんやよなぁ~