アメリカ下層教育現場
今回は林壮一の「アメリカ下層教育現場」と言う本を紹介します。
林壮一さんの本はおもろい。
オイラにとって繊大さんは恩人なので恩人の恩人は大恩人なのだ!←あったことないくせに!
と言うことで勝手に一方的に親しみを感じてるのもあるのでボクシング以外の本もちゃんと読んでみようと思ったのだ。
林さんはあまり賢くない高校を卒業、本人いわく三流大学を出て、マスコミに入ったらしいのだが、色々挫折感があったらしい。
オイラは中学3年の時に高校に入れないと言われた落ちこぼれでどうにかもぐりこんだ高校は一応卒業し、大学受験もするにはしたが勉強もしないで受かるわけもなく高卒である。
三流大学って言うてもオイラにしたら大学行ってる奴はみんな偉いように思えるんやけど社会に出るとそういうものではないらしい。
特にマスコミ関係は一流大学を出たような奴らが活躍するような職種なんやろうな。
林さんは入った会社でむちゃくちゃこき使われて(家にも帰れずシャワーも何日も浴びれないような生活だったらしい)会社を辞めてアメリカに渡るのだが、アメリカの大学でお世話になった先生にチャータースクールと言うモノの教師をすることを頼まれる。
チャータースクールとは公立校だが正規の学校とはちがう特殊なモノだった。
一般の高校よりも水準が低く劣等生の集団と言う風な所らしい…
もちろん、通う生徒はほとんどがマイノリティー。
そこで特別枠として「日本文化」を教えるクラスを作ったのだが前任者がすぐにやめてしまい後任を探しているとのことだったのだ。
自分を必要としてくれている人間がアメリカqにいることをうれしく思いこれを承諾することに。
日本で落ちこぼれのレッテル貼られた林さんはアメリカの落ちこぼれを一人でも救い出そうと奮闘するのだが…
と言う話。
日本には少ない人種差別的なことや、教育に関心のない親たち、そしてやる気のない子供たちをどう変えれるのか?
色々試行錯誤をして奮闘する林さん。
ただこれは現実の話なので、落ちこぼれが手と手を取り合ってサクセスするようなハッピーエンドが待ってるわけでは無い。
よくテレビドラマやノンフィクションの読み物で感動的な話が描かれるが嘘ではないけど話が美化されてたり、その成功した人たちの何百倍と言う人たちが挫折し成功への道を閉ざされてるのが現実なのだ。
ボクサーの自伝で苦労して成功したってのは多いけどそのボクサーが倒してきた中にも同じ境遇、もしくはもっとひどい境遇の人たちだっているのだ。
チャータースクールをやめざるをえんようになった林さんは次は仕事としてではなくボランティアとしてユースメンターリングと言う制度があるのを知りそれに登録する。
教育者としてではなく友達として子供に接せするシステムである。
教壇に立つよりも刺激は少なかったが林さんはそこでもある程度のやりがいを感じたようやった。
最後、息子とお祭りに行った時にチャータースクールで担当していた生徒と再会する。
そこで彼は目標を持って生きようとしてることを知り満足する林さん。
こういう風に自分が若者の生き方を良いように導いたということがわかるとうれしいやろなぁ~
オイラはジムでボクシングを教えるという仕事をしてるけど、なかなかオイラが教えることによって変わっていくという少年を見ることはない。
うちのジムはノンプロなんでプロになれないからと言ってプロのジムに代わる子もたまにはいるのだ今の所オイラが教えたNAジムの子でプロになったという話は聞かないのだ…(大阪で教えてた子は一人プロになった)
林さんは元ワタナベジムの練習生でプロテストにも合格していたのだが怪我のために挫折、プロのリングには上がれず終いやった。
そういうコンプレックスもあってか、弱者の気持ちを理解出来る人なんやろうな。
人間の芯としてボクシングが深く根ざしてる人なんで所どころにボクシングの話が出てくる。
授業で子供たちのミットを受けたりメキシコ系の少年にはメキシコの英雄ボクサー、フリオ・セサール・チャベスの話をしたり、ジョージ・フォアマン,マービン・ハグラーにインタビューしたときに感銘を受けた言葉を学生に教えたりしてる。
すごく読みやすく面白かった。
興味があったら読んでみてほしいなぁ~
林さんは他にもボクシング以外の本を書いてるんで読んだらまた紹介しま~す!