らんぶるライフ はてな版

ボクシングの事書いてます

神様のリング

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今回は林壮一の「神様のリング」の紹介を。
 亀田昭雄アーロンプライヤーの紹介記事はこの本の前振りですわ。
 まぁ、どっちもほとんどがこの本の受け売りでしたが…
 この林壮一さんはマイノリティの拳という本を書いた人。
 林さんはアメリカに渡って執筆活動を続けてるが着眼点が面白い。
 色々な元、現チャンピオンに会ってインタビューをしてるけど取り上げるの
は社会的弱者となったような元チャンピオンだったりする。
 現、帝拳のトレーナー田中繊大さんはメキシコにいるときにこの林さんにお
世話になったそうで恩人だって言うてた。
 オイラはメキシコで繊大さんに世話になったので恩人の恩人に当たるのだ!
(あったことないけど)
 この神様のリングはボクシングマガジンに連載されていた
「It's Still Hawk Time! まだ、俺の時間だ!悲劇のヒーロー/アーロン・
プライヤー物語」が元になってる。
 林さんがプライヤーを取材してるうちに6度目の防衛戦で戦った亀田昭雄に
やたらこだわるので亀田昭雄に連絡をし取材試みることによって太平洋を隔て
た2人の元ボクサーの友情の橋渡しをすることになったのだ。
 内容は第一部 栄光と挫折 第一章 天才ボクサーと呼ばれた男 で亀田昭
雄のボクサー人世を、第二章 天才を迎え撃った野獣 ではプライヤーを紹
介。
 第3章 明暗 で二人の対決が描かれる。
 第2部 再び出会う運命 第4章 23年ぶりに聞いた宿敵の名 で亀田を
探し出しプライヤーの近況を伝え現在の亀田昭雄を紹介。
 第5章シンシナティーまでの道程 では亀田の都合を待ちプライヤーに会わ
せるためのアメリカでの道程を。
 第6章 再会 で二人の再会が語られる。
 
 プライヤーの戦績だけを見てると亀田昭雄はプライヤーに倒されたほかの防
衛戦の相手と何も違わない。(まぁアリュゲリョは別格)
 でもプライヤー自身は拳を交えてみて亀田の天才を見抜いていたようだっ
た。
 拳を交えた者同士でしかわからない感覚というんやろうか。
 お互いの命を懸けて戦ってるプライヤーと亀田にしかわからないあいてに対
する尊敬の念。
 プライヤーは亀田昭雄を認めてるけどそんなことを知らない人にとったら亀
田はプライヤーに倒された一人なのかもしれん。
 経験者、非経験者にかかわらず見てるだけの人間にはわかりえない世界。

 ボクシングを書くというのはスポーツライターにとって結構な思いいれがあ
ることが多いらしい。
 それはサッカー、野球などは競技者としてのプレイはしてなくても学校の授
業や遊びでプレイの経験はたいていの人にあるけどボクシング経験のあるライ
ターというのはやはり多くはないのだ。
 元日本バンタム級王者で、ライター業もしていた故、小林智昭の経験者でしかわからない発言を聞いてスポーツライター二宮清純はショックを受けたらしい。
 そこで打ちのめされたが未経験だからこそかけるものあるはずだと開き直り
いまにいたる。
 林さんは、ボクシングプロライセンス保持者だったが怪我により断念したと
いう挫折感がある。
 だからこそリングの眩しさや、挫折を負った男たちの気持ちも汲みあげれる
のかもしれんな。