袴田さん支援集会で読み上げられた拳論片岡さんの文章
このブログで告知した袴田さん支援集会でジャーナリストの片岡さんから送られた文
章を発表します。
してくださっている多くの方々、本来なら直接お目にかかり、ご挨拶申し上げ
るべきところ、本日より海外に出向く予定が動かせず、このような形での参加
となってしまったことを深くお詫び申し上げます。
ジャーナリストとして取材をしていると、これまで見えなかった社会の不合
理な仕組みに対面することがありますが、皆様のご支援においても面会の制限
や再審への障壁など、知られざる不合理がどれだけあったことか、想像を超え
た困難の連続があったと思います。
「それはおかしいじゃないか」といくら叫んでも社会に無視されてしまう。
その虚しさを虚しさだけに終わらせなかったのは、袴田さんひとりの人生がか
かっていたからでしょう。
だからこそ皆様がそこに自らを重ね合わせ「もし自分が袴田さんの立場だった
ら」「もし秀子さんの立場だったら」と思い、訴え続けてこられたのではない
かと思います。 > 実は若い頃に、私は無実の罪で留置場に入れられた経験
があります。
それは1週間ほどで疑いが晴れて外に出られたのですが、そのたった1週間で
すら私にとっては地獄の苦しみでした。
自由が奪われたからではありません。
ひとつは「いつ出られるか分からない」という見通しがなかったこと、もうひ
とつは自分の間違いのない主張を警察になかなか受け入れてもらえなかったこ
と、でした。
それがもし有罪という真逆の結論を出され、袴田さんのように何十年という単
位で拘束され、そして死刑という人にとって絶望を意味するゴールを設定され
たらと思うと、とても正常な神経を保てるとは思えません。
この絶望の淵に立ち続けている袴田さんにとって、残された希望はここにいら
っしゃる支援者の方々の熱意だけだと思います。
その皆様の熱意がこの度のDNA鑑定にたどりつき、ついに絶望を希望に変え
つつあります。
社会の不合理、デタラメな不正義に、皆様の強い熱意が勝っていること、これ
には深く敬意を表します。
私も今回、有罪認定の柱だった証拠がねつ造であったと証明されることを確信
しております。
あと一歩です。力の乏しい私が言うのも大変おこがましいのですが、袴田巌さ
んに大逆転KO勝ちの拍手を送る、その瞬間まで叫び続けましょう。