らんぶるライフ はてな版

ボクシングの事書いてます

ヒーロー工房


 
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 今回は小林信也 著の「ヒーロー工房」を紹介。
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 目次
 例によってボクシング関係しか紹介しません、あしからずご了承ください…
 友成光、赤井英和宮田博行、そしてボクサーではないが靴職人の江原賢一
この4人の章を紹介しますわ。
 まず作者の小林信也(のぶや)の紹介を。
 この人はスポーツライターをしながらディスクゴルフ(フリスビーね)
の選手でもあるらしい。
 ライターの人はスポーツ経験ない人が意外と多いけどこの人は違うな。
 もう一つ面白いのは自分がカツラー(カツラをかぶってる人)というのを
カミングアウトしててそれを本にして出してるのだ。
 カツラかぶってる人にしたら勇気をもらえるような本なんやろうか?

 一つ目のは「終わりのないゴング」友成
 まずは友成光の説明を
 元日本Jライト級チャンピオン。
 サムエル・セラノの持つWBA、ジュニア・ライト級王座に挑むも12
ラウンドTKO負け。
 二度目の日本王座を尾崎富士雄から奪いそのタイトルの3度目の防衛戦
浜田剛史と対戦、7ラウンドTKO負け。
 40戦目に尾崎富士雄の持つ日本ウェルター級王座に挑むも4ラウンド
KO負けし引退。
 セラノに負けた後の再起戦でヨネクラジムの輸入ボクサーヨネクラ・イ
コニと対戦して劇的な逆転をした試合が有名みたいですな。
 作者は友成と同じ年でそのイコニとの試合見たこともあり友成に肩入れ
していくのだ。
 当時の浜田はホープ中のホープ
 そのホープに立ち向かっていく友成の姿を作者は感情たっぷりに描写。
 オイラこういう感情的な文章が好きなのだ。
 
 次は「6人目の夢」赤井英和
 赤井さんは説明いらんな。
 オイラのグリーンツダの先輩でもある(会ったことはない)。
 赤井さんはエディ・タウンゼントに教わるのに当時エディさんは三迫ジ
ム所属だったんでわざわざ東京に行って教わってたみたいやな。
 そこで取材をしながら作者は赤井さんの人間らしい弱さが気になったの
だった。
 浜田剛史のような異常なまでのストイックさではなく水をガブガブ飲む
赤井さん、しかしそこに人間的魅力を感じるのだった。
 6人目の男とはエディさんの作る世界チャンピオンのこと。
 この時点で赤井さんが大和田との試合で再起不能になり6人目が具体的
ではなくなったのだった。
 この後にエディさんのマイボーイ井岡弘樹が登場するんやよな。

 次は「裏街の”あしたのジョー”」宮田博行
 まずは宮田博行の説明を。
 言わずと知れた内藤大助のジムの会長。
 高校在学中に新人王に輝くなど天才少年と騒がれてたが網膜剥離で引退
を余儀なくされた。
 その後はジムの会長として活躍中。
 現在の宮田会長はちょっと一癖ありそうな雰囲気もあるけど現役当時は
さわやかそのものだったみたいやな。
 ピンクのトランクスが似合うような明るさと若さが一体となったまさに
天才少年だった。
 しかし、作者の前でKO負を喫してしまう。
 そこにボクシングの怖さを感じ取る作者・・・
 宮田の所属ジムは墨東ジム。
 まさに丹下拳闘倶楽部のようなボロボロのジムである。(現在はない)
 そこで会長の宮田に賭ける夢を聞く。
 宮田が騒がれてもまったく入会者が増えないようなボロジムだが本気で
会長は夢を見てるようだった…

 最後は「小さな靴屋の大いなる勝負靴(リングシューズ)」 江原賢一
 今のボクサーは有名メーカーのシューズを普通に履いてるよな。
 オイラの頃でもそう。
 まぁ海外メーカーを履いてるような奴はまだほとんどいなかったけどア
シックスかランバードを履いてた。
 最近はアディダスやナイキのリングシューズとか入手できるんでう
らやましいですわ。
 今はどうなってるか知らんけど帝拳のボクサーは町の小さな靴屋で特注
する伝統があったのだ。
 それは大場政夫から始まった。
 靴屋の主人、江原賢一さんは若いころ店から近いこともあって少し帝
拳に通ってたことがあるのだ。
 その縁で大場が4回戦の頃からリングシューズを作っていてそれが評
判になりガッツ石松ロイヤル小林柴田国明、中島盛雄、小林光二とい
う世界チャンピオンに提供してきたのだった。
 そして浜田剛史もデビュー前からの顧客である。
 その浜田が試合が近づいても注文しに来ない…
 近頃は具志堅、渡辺とミズノのCMに出てスポンサー契約をしたりして
るので浜田も例外ではないのか?
 そんな心配をしていたら浜田が注文に現れる。
 そしてそのシューズでレネ・アルレドントを1ラウンドで倒して世界チ
ャンピオンになるのだった…
 オイラこのん靴屋さんの事昔モノマガジンか何かで読んだんやよな。
 立ち読みやったから詳しいことは忘れたけどちょっとここの靴屋に憧れ
たもんやった。
 今でも注文したら作ってくれるんかな?
 ていうか店あるんやろうか?
 こういうボクシングそのものじゃない話やけどちょっとかかわってるよ
うな話も面白いな。
 あとがきで、作者はスポコン漫画や”わかったフリ”の評論家たちへの
反発があったことを告白してる。
 ちなみにあとがきでこのコラムの連載を終了した後にあしたのジョー
始めて読んではまってしまったこと、自分がライターの駆け出しであるこ
とを4回戦という言い方で例えてることからこの作者はかなりボクシング
が好きなんちゃうかな?
 このコラム集を読んで(ボクシングのとこだけやけど)作者はスポーツ
のうわべ的な部分(競技的と言い換えても良い)ではなく競技者に対して
の想いが深いという印象をうけた。
 暇やったらほかのスポーツの部分も読んでみようかと今回記事を書くの
に読み返して(ボクシングの部分だけね)思った。
 1987年に出た本やから見つかりにくいかもしれんけど面白いと思う
からよむ機会があったら読んでみてほしいなぁ~ ←ボクシングの部分
しか読んでないくせに!