らんぶるライフ はてな版

ボクシングの事書いてます

藤原康二

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 グリーンツダジム所属の元世界ランカー

 戦績26戦(16KО)4敗 1分

 サウスポーのハードパンチャー

 元世界ランカーだが、タイトルマッチを一度もしてないので関西以外で

知名度は低いやろうな。

 チャンピオンカーニバルで当時の日本フライ級王者スズキ・カバトと試合が

決まっていたが怪我のためにキャンセル、代わりに徳山昌守が出場という経緯

があった。

 前に大阪に帰った時に夢幻蔵きてました。その時の記事
 

 たいていどんなジムでも会長なんかと話してると、

 「前に一人物凄いのがおったんやけどな。あいつが練習さえしてれ

ば…」

 なんて話が出てくるんモンである…

 まぁ、練習熱心になれるかどうかも才能の一つと思うけど、やっぱりミ

ット受けてみたらものすごいハードパンチャーだったり、スピードが異常

にあったりすると期待してまうよな。

 初めてのスパーでプロボクサー倒したりとかする奴もおるらしいし。

 白井義男さんは初日にスパーさせられてプロを倒したという伝説が残っ

てる。

 グリーンツダにも大昔に井岡さん(井岡一翔の叔父さんね)より才能の

ある人がおったって聞いたことがある。

 まぁその人は女にはまってダメになったってきいたけど…

 ボクシングの才能は総合的なモノと思う。

 スピードがあったりパンチが強くても顎が弱かったり、ハートが弱すぎ

る奴なんかもいっぱいおった。

 それでもやっぱりボクシングセンスがズバ抜けてるやつは本当に凄い。

 オイラはタイやメキシコ、ロスで本物の世界チャンピオンとトレーニン

グして凄い才能を目のあたりにして来てるけど世界チャンピオンは完成さ

れてるので正直驚きもしなかった。(やっぱすごいなぁ~とは思ったりし

たけど)

 日本でも最年少世界チャンピオンになった井岡弘樹さん、初の高校三冠

を成し遂げた山口圭司とはスパーもずっとしてた。

 でもオイラがボクシングしてて”本物の天才”と感じたのは今回紹介す

る藤原康二である。

 ただ、ボクシングの才能というのは総合的なモノ。

 この天才児には足りないものも多かった(笑)

 まず練習しない。

 そして考え方がおかしいのだ(笑)

 どれだけ練習せずに強くなれるかを実践するというスタンスを貫いてた

のだ~!

 だから、体に筋肉はなく体脂肪率は女性並み!

 走らないからスタミナもない。

 まぁそれでも試合になれば結構最後までできるからすごいんやけど。

 もう一つ、ちょっとアゴが弱かった。

 藤原は6戦目にのちの世界チャンピオン戸高秀樹と戦っている。

 藤原はこの時点でもうツダジムのホープと知れ渡っていた。

 この試合は名古屋でやった(薬師寺保栄VS辺 丁一2の前座)んやけ

どオイラも見てた。

 戸高はまだ無名の田舎の選手、ホープの当て馬にと組まれたんやろう

な…

 案の定しょっぱなから藤原が戸高をボコボコに!

 しか~し!戸高のパンチが藤原の顎に入りコロン・・・

 セコンドについてたオイラは

 「このラウンド捨てていけぇ~~!」

 て言うた(4回戦は1Rに2度ダウンでKО負けになる)

 しかし気の強い藤原はまた行って又ボコボコにしてたらまたもやガツン

と一発貰って終わり…

 試合後、戸高の顔見たらかなり腫れてた。

 その時は藤原の顎さえ強ければって思ったけど戸高の根性がすごかった

という事やな。

 これを見ていた当時薬師寺さんのトレーナーをしていたマッククリハラ

に戸高は「ユーはビッグハート!」とか言われたというのは知られた話で

ある。(言った言葉は不確かですが)

 ただ後の世界チャンピオンをボコボコにしてたのも事実。

 ボクシングセンスだけなら藤原のほうが上であることは間違いないがボ

クシングの才能とは総合的なモノというのはこういう所に現れるのだ。

 藤原は打たれもろいと言われながらまともに倒されたのはこの時と22

戦目フィリピン人にぶっ倒されただけなんで実際うたれ強さに関してはよ

くわからない。(スパーで倒されるようなことはなかったと思う)

 
 藤原の凄さをオイラが身に染みてわかったのが安藤謙三が広島で日本タ

イトル決定戦を戸高と戦いに行った時のこと。

 オイラ、藤原とは一度スパーをしたことがあったのだがあいつのパンチ

は凄いと聞いてたのに何も感じなかった。

 正直みんなかいかぶってるのかと思ってた。

 安藤の前座で試合をする藤原のミットを監督に受けてやってくれと言わ

れてパンチを受けた時の衝撃は忘れられない。

 藤原はSフライ級で体脂肪が女性並みの男である。

 それなのに今まで(それはいまだに)受けたことのないような衝撃だっ

たのだ!

 本当に凄いパンチやった。

 その時に以前のスパーの事話したら

 「あぁ、あれは遠慮してました」とのこと。

 まさに天才しか打てないパンチやった。

 なんでそんなパンチ打てるねん!って聞いたら(筋力で打ってないのは

確実)

 「いやぁ、色々考えましたから」

 正直あのパンチはブルース・リーのワン・インチパンチや骨法の通し

などという達人技に近いと思う。

 それが編み出せるのはまさに天才である。

 辰吉のトレーナーをしていた島田信行先生は、藤原の天才性は辰吉以上

と言ってたらしい。(島田先生は一時期ツダに来ていた)


 しか~し!それだけの才能を自分で潰してしまったのだった…


 藤原は松田ジムの選手と対戦して判定負けし引退。

 しかし、何を思ったのかまた練習を始めて最後はタイでウィラポンと試

合をしてTKО負けをして完全引退。

 今はまじめなサラリーマンで女の子のパパでもある(笑)

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 若かりし頃のオイラと藤原とツダの仲間たち。

 これはメシコから来てたホセ・ビセンテンニョとティブルシオ・ガルシアト

レーナーの送別会に行くときに撮った写真ですわ~
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