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ボクシングの事書いてます

挫折と栄光 ボクサー浜田剛史の生き方

 今回は、元WBCスーパーライト級チャンピオン浜田剛史の伝記、「挫折と栄光」の紹介を。

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 作者は、佐瀬稔。

 古くからのボクシングファンなら、「感情的ボクシング論」の佐瀬稔は有名で好きな人も多い。

 「感情的ボクシング論」は最初ボクシングマガジンに連載されてたけど、途中でワールドボクシングに

移り佐瀬稔が亡くなるまで連載されていた記事である。

 オイラはボクシングライターの中ではこの人が一番好きやった。

 惜しくもガンで亡くなってしまったが・・・

 
 第一章、謎は、浜田が世界タイトルを取った時の当惑が描かれる。

 普通、世界チャンピオンになったらたいていがうれし泣きしたり喜びの感情を爆発させて叫んだりする

もんやけど、浜田は全くの無表情だったのだ!

 そりゃぁ誰だって当惑するよな~

 第二章、渇望は、浜田が生まれる前に起こったリング禍事故と、現代(といっても80年代で30年も

前やけど)のボクシングジムに通う若者についてを中心に話が進められる。

 第三章、掟は、浜田のルーツ沖縄と浜田家について。

 第四章、標的は、浜田が沖縄でボクシングを始めてから高校でのアマチュアボクシングの活動につい

て。

 第五章、翻弄は、東京に出てきて帝拳ジムに入ってのプロ活動。

 第六章、地獄は浜田の四度にわたる左拳の骨折との戦い。

 第七章、極限は世界タイトルマッチ、レネ・アルレドントとの試合のこと。


 と、こういった内容ですわ。

 この人のボクサー人生のすさまじさは本当に半端ではない。

 よく、人生かけてます、命かけてますって軽々しく言うけど浜田のボクシング、世界チャンピオンにな

るための努力は失礼かもしれんけど狂ってるって表現が似合うまでにすさまじい。

 ここまで、すべてをかけたのだから、目的を達成した瞬間に”無”になってしまうのはなんとなくやけ

ど納得できるわ。

 この本を読んだら、「私は努力してました!」って簡単には言えなくなってまうかも・・・

 
 佐瀬稔は、ボクサーに対して物すごく敬意を抱いていたみたいなのは「感情的ボクシング論」を読んで

てもわかるんやけど、その根本には浜田の生き方が影響してるんちゃうかな?

 佐瀬稔は四回戦のボクサーに対しても。ものすごく敬意を表してる文章があったりするんやけど、読ん

でて

 「いやいや、ボクサーってそこまで偉くはないと思うし、オイラみたいに中途半端な奴もいくらでもお

るねん」

 ッて気恥ずかしくなるぐらいボクサーに敬意をしめしてる。

 
 オイラ、自分がボクサーやったからそう思われるのはうれしい反面、胸が痛むな(笑)

 ただ、佐瀬稔のように、ボクシングを愛し、ボクサーに敬意を持ってるボクシングファンだけでもない

ことは確かである。

 ひどいマニアになってくると、自分の好きじゃないボクシングをする選手はボロクソ言うたり、人格否

定までしだす。

 オイラはそういう人も見て来た。

 オイラは元選手だから身内を守ってるように感じられるのは仕方ないけど、人は熱狂的になるとそうな

っていくもんなんやよな・・・

 野球の試合で球場で喧嘩したり、サッカーのサポーターにいたっては選手を殺した奴までおるからな。

 オイラも前にブログの書き込みでボロクソ書かれたこともある。



 話がそれてしまった・・・

 オイラ、この本を読んだのは、ロスにいる時やった。 

 ジムで知り合った元関ジムの人が持ってて貸してくれたのだ。

 これを読んだ後に、吉川英治の「宮本武蔵」を読んだのだが同じ求道的なキャラが被って、もう、武蔵

のビジュアルは完全に浜田でしたわ(笑)

 この本は本当に素晴らしいので色んな人に読んでもらいたいのだが長らく絶版で、中々手に入りにくく

手に入ってもプレミアが付いて高かったりと困った状況やった・・・



 しか~し!

 最近、文庫化しました!

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 これでぇ~す!

 これは絶対!お勧めです!

 このブログに来た人全員に読んでもらいたいぐらいのお勧めです!

 是非是非読んでくださ!!!!!!


 「挫折と栄光」 作 佐瀬稔 主婦の友社  定価 730円


 文中、敬称を略させてもらいました。






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みんな袴田事件に関心持ってくださ~い!by袴田事件、関心持とう委員会

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