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ボクシングの事書いてます

異邦人の拳

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 今回は、山本茂 著の「異邦人の拳」を紹介しますわ。

 この本は、第二次世界大戦前に日本で戦った二人の外国人ボクサーのことが書かれてる。

 実際オイラ二人とも知らんし、試合の映像なんかも残ってないんやろな。

 別に興味はなかったけど、ボクシングドキュメントマニアのオイラは買わざるをえんって感じです

わ・・

 まず第一部は、秋村龍三のことを書いた「陋屋に死す ボクサー秋村龍三伝」

 この秋山という人は日本で育った在日朝鮮人で、ピストン堀口の弟、堀口宏とも戦っている。

 兄がヤクザものだったために殺され、その敵討ちをした後、ピストル自殺をはかっているのだ。

 そしてその死装束がボクシングトランクスだったのである。

 この人は、戦争に行ったり、在日朝鮮人として差別にあったり、ヤクザの抗争に巻き込まれたりと壮絶

な生き方をしてきたのだが、最後の最後はボクサーとして締めくくりたかったんやろな・・・

 第一部は、そんな、すさまじい生き方をしてきたボクサーの戦いがつづられている。

 第二部は、「ジェントルマン・ゲン 玄海男の青春」

 この人は、子供の頃に日本に渡ってきた、朝鮮人である。

 朝鮮読みでは、ヒュン・ハナンだが、日本読みでゲン・ウミオと名乗っていた。

 この人は、ピストン堀口にも勝っているのだ!

 なかなかの男前だったようで、アメリカに渡って、ボクサーとして活躍しなかなかの人気者だったみ

たいである。

 又、今では考えられんのやけど、試合で左目を痛め眼球摘出して義眼をいれそのまま試合を行っていた

らしい・・・

 試合では絶対反則やクリンチをしないため、アメリカでついたあだ名が「ジェントルマン・ゲン」

 当時の米ボクシング界はハリウッドとも親密だったらしく、有名俳優のパーティーに呼ばれたりハリウ

ッド女優と浮名をながしたりと、今では到底考えられないようなこともしてるんやよね。

 そんな、波乱万丈なボクサー人生がつづられてる。

 まぁ、知らないボクサーの伝記なんか興味が沸かないかも知れないけど、こんな時代、こんな人生を送

った男たちがおった事を知るのも良いかもな。

 今は、すべてにおいてみんなこじんまりまとまろうとしてるように思うから、こういう人たちもいたん

やと考えるのも良しやね。

 ちなみに、作者の山本茂氏は元ボクシングマガジンの編集長です。

 この本は、たま~に、古本屋で見かけたりするし、そう探すのは難しくないんで興味のある人は呼んで

みてはどうでっか?

 
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