タイで十三歳のムエタイ選手試合で亡くなる…
13歳のムエタイ選手、頭を連打され死亡 子どもの試合禁止求める声
タイの格闘技ムエタイのチャリティー試合に出場した13歳の選手が死亡し、国内では子どもの試合禁止を求める声が再燃している。ムエタイはタイで非常に人気のあるスポーツで、富と名声を求めて多くの選手が若いうちからこの競技を始める。しかし10歳未満の子どもがヘッドギア(頭部を保護する防具)を着用せずにムエタイの試合に出場して頭に蹴りや肘突きの技を受けることが多く、しばしば批判されてきた。さらに貧困家庭の子どもがムエタイで家計を支えたり、リングサイドで試合を対象にしたギャンブルが加熱したりすることも問題視されてきた。タイの首都バンコクの南に接するサムットプラカーン(Samut Prakan)で今月10日に行われた試合に出場したアヌチャー・ターサコー(Anucha Tasako)選手は頭を連打されて倒れた。地元メディアが流したスマートフォンで撮影した映像には、リング上で倒れて動かなくなったアヌチャー選手にセコンドが駆け寄る様子が捉えられていた。警察によると、アヌチャー選手はその後脳内出血で死亡した。試合では両選手ともヘッドギアを着用していなかった。タイ国内メディアは、アヌチャー選手は8歳から試合に出て、これまでに150試合以上の経験があったと伝えている。警察は、対戦相手もほぼ同じ年齢で、フェイスブック(Facebook)に追悼のメッセージを出したと発表。13日に投稿されたメッセージは「後悔している」「それでもぼくは試合に勝たないといけない。教育を受けるには自分で十分なお金を稼ぐ必要がある」と述べていた。アヌチャー選手の死を受けて非難と怒りが沸き起こった。試合を早く終わらせなかったとして審判への批判も出ている。あるフェイスブック利用者は「彼はほとんど立てなかった。なぜ審判は彼が倒れるまで試合を続けさせたのだろう」と書き込んだ。
地元メディアは、タイの観光・スポーツ相が12歳未満の選手の試合出場を禁止する法案を「できるだけ早く」提出する意向を示したと報じた。
痛ましい事故が起こりました…
タイはムエタイの賭け試合に幼いころから出場してる子供達がいます。
自分がタイで修行していたジムはムエタイジムだったんで小さな子供も親元を離れてジムに暮らしながら試合に出てたりしてました…
タイのムエタイ少年たちと
タイでは子供が親のために稼ぐのは当たり前の行為だというのを聞いたことがあります。
まぁ貧しく大した教育も受けられない家庭で田舎で仕事がなく仕事にあぶれた親のために試合に出ているというのがそういう事の背景にあるんですが、最近はタイも経済的発展して前ほど生活に困窮してる家庭が多くなくなってきたことや世界的に子供の労働や教育等が問題になっているために風当たりも強く子供がムエタイをする人口も減って来てるようですが、貧しい人たちはいなくなることもないのが現実です。
そんな中でこういう事故が起こり子供にムエタイをさせるという事が大問題になってることが考えられます。
一応、16歳以下には試合をさせないという決まりが少し前に建前的に出来たらしいですが守られていないことは今回の事故で明白です。
かといってムエタイをタイ独自の文化として考えると子供のうちから練習だけでなくプロとして試合するからこそ強い選手が育ち文化として成長出来てきたという事も言えるんですよ。
自分はタイに長期滞在してリングに上がり続けた元ムエタイ選手や日本人マッチメーカーや日本人でムエタイジム経営をしていた関係者などの知り合いに意見を聞きましたが、本当に難しい問題で明白にこうすればよいという答えはないように思います。
子供の安全、人権的な事を考えればなくなるほうが良いのでしょうが、ムエタイを文化と考えると一つの文化が衰退していくのを指をくわえて見ているという事も悔しい思いもあるわけです。
で、最近では日本でもキッズボクシングなどが盛んになってきています。
よく、足の力は手の3倍あるのでキックの方が強烈であるみたいなことを漫画なんかで描かれているんですが、実をいうとキックやムエタイでもKOはパンチの方が多いみたいです。
それはキックはローキック(足に対する攻撃)やミドルキック(ボディへの蹴り)が主体で顔面へのハイキックはモーションも大きくなって的中率も低くなるからだと思うんであまり使わないんでしょう。
KOというのは大半が頭部への打撃によるものです。
リング禍というのも頭部への打撃による脳への負傷がほとんどです。
自分の知る限りではボディ打ちでの内臓破裂などへの死亡事故は知りません(長い格闘技の歴史でなかったとは思いませんが)。
何が言いたいかというとキックボクシングよりもボクシングの方が断然危険度が高いという事です。
元ボクシング関係者としてボクシングのマイナス面を明らかにするのは心苦しいんですがこれは事実です。
最近はキッズボクシングが盛んになりスパー大会なども頻繁に行われています。
90年代のボクシングよりも明らかに現在の方がボクサーの質、技術が上がってるのは競技の発展、進歩以上にこのキッズボクシングというのが断然大きいでしょう。
最近の世界王者や凄い選手はほとんど子供のころからキッズ大会に出ている選手が多いんです。
キッズボクシングで事故が起きたりしたらキッズボクシングの存続がかなり厳しくなる可能性もあります。
それは日本ボクシングの発展の終わりを告げることになるわけです。
元ムエタイジム経営者の人はトレーナー教育のジムの設立を考えたことがあるようでしたが、タイではムエタイジムのトレーナーは職業としてやっていけるから需要もあるでしょうが、日本ではジムのトレーナーはボランティアがほとんど…
まぁトレーナーだけではなく今回の事故ではレフェリングに関する批判も出ているのでレフェリーの教育も必要になるでしょうがJBCのレフェリーも名誉職らしいんでトレーナ-、レフェリーのジムや学校を作っても需要がないと思うんですよね…
難しい問題なんですがファン、関係者で色いろ意見を出して考えていくべき問題であると思います。