袴田事件 あす再審可否決定

 

 

袴田事件　あす再審可否決定　静岡

昭和４１年に清水市（現静岡市清水区）で一家４人を殺害したとして強盗殺人罪などで死刑判決が確定した袴田巌死刑囚（７８）の第２次再審請求審で、静岡地裁（村山浩昭裁判長）は再審の可否について２７日に決定を下す。午前１０時ごろ、弁護側、検察側にそれぞれ決定文が渡される予定。

　第２次再審請求審は、確定判決で犯行着衣と認定されたシャツやズボンなどの「５点の衣類」が袴田死刑囚のものかどうかが最大の争点。弁護側、検察側の双方が推薦した鑑定人が、衣類に付着した血液を抽出し、袴田死刑囚のＤＮＡ型と比較。弁護側、検察側ともに「不一致」とする結果が出た。「事実認定に合理的な疑いが生じた」と主張する弁護側に対して、検察側は「鑑定試料が古く、信用性がない」と反論しており、地裁の判断が注目される。

　決定当日の午後、袴田死刑囚が収監されている東京拘置所（葛飾区）に向かう予定の姉、秀子さん（８１）は「いよいよこの日がきた。巌にいい報告をしてあげたい」と期待を込めた。

　第２次再審請求審は、弁護側が平成２０年、静岡地裁に申し立てた。第１次再審請求審で「鑑定不能」となった、袴田死刑囚の犯行着衣とされた５点の衣類のＤＮＡ型鑑定が行われたほか、取り調べ時の録音テープなどの証拠約６００点が新たに開示された。昨年１２月に最終意見書を提出して審理を終結した。

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