5階級制覇(以上)を検証する
ティモシー・ブラッドリーVSファン・マヌエル・マルケス戦にはマルケスの5階級制覇がかかっている。
5階級制覇以上してるボクサーは現在、オスカー・デラ・ホーヤ(6階級)、マニー・パッキャオ(6階級)、フロイド・メイウェザー(5階級)、トーマス・ハーンズ、(5階級)、シュガー・レイ・レナード(5階級)、ホルヘ・アルセ(5階級)
の6人ですか。
この階級制覇っていうのもかなり怪しい戴冠劇が多いのだ…
まず史上初の5階級制覇を成し遂げたトーマス・ハーンズ。
ハーンズは史上初の4階級制覇も成し遂げているが3階級制覇でミドル級のハグラーに挑戦して負け、先にLヘビー級で戴冠、その後空位になったミドル級を決定戦で奪い4階級制覇。
最強の相手に勝ってないので非難されたけどこれは一応正当なものですな。
でも5階級目が怪しい…
ライバル、レナードと新設階級スーパーミドル級での史上初の5階級制覇を争っていたので対戦が決まっていた選手が怪我をして試合ができなくなった時に意地でも史上初にこだわったのか、対戦相手を変えて、おまけに新興団体WBOの立ち上げでの試合となった。
試合内容もダウンを奪われての判定勝ちと胸を張って5階級制覇という感じではなかった…
当時は新興団体WBOなんで5階級制覇認めない論調のほうが多かったような記憶があるんやけどなぁ~
そして、レナードはもっとすごいウルトラCで5階級制覇してる。
ハグラーに勝ってミドル級を奪取して3階級制覇を成し遂げたレナードは一時引退、しかしハーンズが史上初の5階級制覇を狙うと聞いて黙ってなかった。
復帰して同時に2階級のベルトをかける変則マッチに出場するのだった。
WBCは同時に2つのタイトルを持つことをルールで禁止しているにも関わらず同時ににこのタイトル戦を許可…
この試合はラロンデがスーパーミドル級まで下げて行われたが結局レナードはLヘビー級の体重のボクサーに勝つことなく2つのタイトルを手中にするのだった…
次に5階級制覇をするのはデラ・ホーヤ。
デラ・ホーヤの初戴冠はスーパーフェザー級でWBOのベルトだった。
このころのWBOはハーンズの時に比べたらいくらかましとはいえやはりマイナー団体の域を出ないものだった。
この時のWBC王者はヘナロ・エルナンデス。
オイラがロスにいるときに知り合った日本人ボクサーFUYUMURAさんは二人ともに知り合いだったのだが、
「オスカーは絶対ヘナロに勝てない、ジムメイトもみんなそう言ってる」と言ってた。
だからあえてWBCではなくWBOを狙ったと思われる。
元々デラ・ホーヤは史上初の6階級制覇を公言していたのでオリンピックではライト級だったのにプロではスーパーフェザーでデビューしてるんやよな。
ムリした体重ではヘナロに勝てないという計算もあったやろうし、現段階での自分の力量を見極めた大変頭のよい戦略でしょうな。
デラ・ホーヤの偉いところは逃げたと言われ続けないためにライト級に挙げてからヘナロを上にあげさせて対戦、勝利してる。
デラはその後、その階級で強いと言われてる選手とほとんど戦い階級制覇を成し遂げていった。
デラの階級制覇は一番最初のWBOスーパーフェザー以外は正統派だと思います。(ライト級はWBOとIBF王座をとってるしSライトではチャベスという最強王者を破り、ウェルターではウィティカー、クオーティーを破ってるしSウェルターではバルガスに勝ってWBAを統一、ミドル級は戴冠はちょっとしょっぱいけどちゃんとホプキンスと統一戦もした)
次はパッキャオ。
パッキャオの階級制覇にケチをつけるところは何もないでしょ(笑)
まずはチャチャイ・ダッチボーイジムからフライ級を奪取。
スーパーバンタムに上げてレーロホロノ・レトワバからIBF王座を奪取し4度の防衛。
ファン・マヌエル・マルケスからWBCスーパーフェザー級。
デビッド・ディアスからWBCライト級。
ミゲール・コットからWBOウェルター級。
アントニオ・マルガリートからスーパーウェルター級。
で、メイウェザー。
この人の階級制覇もケチをつけるようなところはないなぁ。
まぁWBCばっかり獲って(一度IBF獲ったが)統一戦とかあんまりしないとかあるけど…
この人、コットとやって初めてWBA王座獲ったけどWBO獲ってないよな?
そしてホルヘ・アルセ。
ファン・マヌエル・マルケスがインタビューでメキシコ人初の5階級制覇みたいな言い方してるの見たような気がするんやけど(間違いだったらすいません)まぁ世間では認められてないのかもなぁ~~
で、ファン・マヌエル・マルケスのこれまでの戴冠はというと…
無冠になってからWBO暫定王者になり後に正規王者に。
スーパーフェザー級はマルコ・アントニオ・バレラからWBC王座を奪取。
このタイトルはパッキャオに奪われる…
ライト級ではファン・ディアスとWBO,WBAスーパーの決定戦を行い勝利。
スーパー・ライト級ではセルゲイ・フェドチェンコとWBO暫定王座決定戦を行い勝利、すぐに正規王者に認定。
最後のWBO暫定決定戦以外は文句のつけようがない戴冠ですな。
統一戦も防衛戦もある程度こなしてるし。
まぁ多階級制覇っていうけど人にイチャモンつかられるような戴冠が多いですがマルケスは正統派と思います。