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のら犬の丘

 

 訃報:真樹日佐夫氏が急性肺炎で死去 

 
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昨年10月にミノワマンとボビーの一戦をプロデュースした真樹氏(中央)
 1月2日(月)、漫画原作者・小説家で、世界空手道連盟真樹道場宗師の真樹日佐夫氏が急性肺炎のため、死去した。享年71歳。

 関係者によると、真樹氏は2日の午後、神奈川県の逗子マリーナで自身が保有するヨットに乗船しようとした際に倒れて意識不明となり、そのまま県内の病院に搬送され、17時34分に息を引き取った。真樹氏は年末から体調を崩して声が枯れており、本人も周囲も風邪だと思っていたという。

 真樹氏は故梶原一騎氏の実弟で知られる。漫画原作者として『ワル』を手がけ、作家として高森真士(たかもり しんじ)というペンネームで活動し、『凶器』で1968年にオール讀物新人賞を受賞。近年では『サンデージャポン』のサンジャポファミリーとしてVTR出演し、『作家生活50周年記念パーティー』には約1000人の関係者が参加した。

 また真樹氏は1980年に真樹道場を設立。2008年からは格闘技イベント『四角いジャングル』シリーズを定期的に開催し、昨年10月のGRABAKA主催興行では真樹日佐夫プロデュース試合としてミノワマンvsボビー・オロゴンを実現させた。

 葬儀・告別式は家族や親族による密葬として行われ、一般には、有志が集まりお別れ会の開催が計画されている。 

 

 これもだいぶ経ってしまったけど梶原一騎実弟真樹日佐夫亡くなりましたな…
 オイラは梶原ファンでかなりの梶原一騎原作の漫画や著作、評伝なんかを持ってるけど、弟である真樹先生の作品は「兄貴」という実兄梶原のことを書いた本とあしたのジョーの小説版しか持ってなかった。
 
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 で、こののら犬の丘という漫画はボクシング漫画だという事で初めて漫画原作を読んでみたのだった。
 世界観は梶原の作品とかなり似てるけど微妙に違う部分はある。
 作画は750ライダーという青春ほのぼのストーリー漫画が少年チャンピオンで長期連載しして人気漫画家になった石井いさみ
 石井いさみは750ライダーを描く前はもっと殺伐とした喧嘩漫画を中心に書いていて梶原とのコンビ作も多い。
 では内容を。
 
 団虎太はラーメンの屋台を盗んで警察に御用になる。
 警察に尋問されるが身元引受人の叔父さんが迎えに来るので安心しきっていた。
 しかし叔父さんは迎えに来なかった…
 虎太が屋台を盗んで警察に厄介になったのは両親が亡くなり世話になってる叔父さん夫婦を試したのであった。
 自分のことが可愛くないんだと問いただした時に叔父さん夫婦はそんなことはない警察に厄介になってもどんなことがあっても君を助け出してあげると言った言葉を真に受けての行動だったのだった…
 叔父さん夫婦に裏切られ感化院に送られることに決まった虎太であった。
 その感化院、天馬が丘学園は地元では”のら犬の丘”と呼ばれ恐れられていたのだった。
 同じ護送車で運ばれた青井真吉は真面目な優等生タイプだったが家が母子家庭で貧しかったために高校に行く資金を作るために盗みを働いたのだった。
 二人は天馬が丘学園の寮に入りさっそくリンチに合う。
 あしたのジョーでもあったパラシュート部隊(高い所から腹の上に飛び降りる)をやられてた。
 これは梶原や真樹が現実にやったりやらせたりしてた事なんやろうなぁ…
 そこで虎太は最初は大人しくやられていたが怒り爆発、大暴れし部屋の実権を握るが寮の総番長、剣持次郎とさしで勝負することに。
 剣持との対決を制し寮の大番長となる虎太。
 そこに新たな敵、教師である足が不自由で杖を突いている桜庭が天馬が丘学園に赴任してくるのだった。
 虎太と桜庭はことあるごとにいがみ合い争いが絶えない。
 そのうちに桜庭の正体が発覚!
 桜庭は元プロボクサーでかなり良い所まで行ったハリケーン桜庭だった。
 桜庭は試合で相手を死なせてしまい自暴自棄になり会長である実の兄に裏切られ、死なせてしまった選手の弟に逆恨みされて刺されて足が不自由になったのだった。
 虎太が悪さをして反省房に入ってる間にジョニー市木田という黒人とのハーフが入所してくる。
 ジョニーは大番長の地位を得るために虎太に挑んでくるが一度は虎太の勝利に終わる。
 しかし二度目はコテンパンにのされる虎太。
 ジョニーはアマボクシングのチャンピオンだったのだ。
 一度目にやられたのは屋根の上という安定感のない場所での対決だったためにボクサーのジョニーには条件が悪すぎただけだったのだ。
 ジョニーにやられた虎太はジョニーの得意分野ボクシングの技で倒してプライドをズタズタにしようと桜庭にボクシングコーチを求める。
 桜庭はボクシングによって虎太を更生させようと考えていたのだが、一向にボクシングを教えない桜庭にいらだちを感じジョニーに再度対決を申し込んで今度は倒してしまう虎太であった。
 桜庭は虎太が再度対決しても引き分けぐらいに終わると踏んでいてそこで謙虚な気持ちになった時に教えようとしていたのだったが虎太の喧嘩の実力を甘くみていたのだ。
 調子に乗り出す虎太・・・
 そんな時に新しい教官羽黒豪介が赴任、虎太とともに桜庭とも考えの相違から対立する。
 羽黒は無双怪力術という武術を体得していて鋼鉄のような肉体を持ち、さすがの虎太もかなわなかったがある日羽黒は刃物で切りつけられる。
 その犯人は退院した青井真吉だったのだがその罪をかぶり桜庭は天馬が丘学園を去って行く。
 そうこうしてるうちに虎太や剣持の退院の日がやってくる。
 引き取り手のない虎太は東京の郊外にある青春の家という施設に行くことに。
 ここでも先輩たちから手痛い歓迎を受けるのだがそれは全て、良い人に見えた青春の家の経営者倉本の差し金でもあったのだった。
 倉本は完全な偽善者で身寄りのない少年を引き取って私利私欲のために利用している悪人だった。
 そんな倉本の下で働いていた虎太だったが偶然桜庭の経営するジムを発見する。
 桜庭の妹で天馬が丘学園で音楽教師していたリツ子に惚れていた虎太はジムに転がり込む。
 青春の家に残された仲間たちを守るために倉本をぶちのめし悪事を暴き慰謝料をせしめた仲間たちはそれを元手に牧場経営をすることに。
 しかし、土地代の手付金を払った後に値上げを言われどうしようもなくなる虎太たち。
 値上げ分を桜庭が払う代わりに虎太がボクサーになるることを提案する桜庭
 しかし土地代を奪いに返しに土地のオーナーの家に乗り込んでとっちめると意外なことが発覚。
 虎太たちをはめようとしたのは桜庭だったのだ。
 桜庭に裏切られた虎太だったがあえてボクシングをすることに。
 自分が負け続けることで桜庭の夢をつぶしてやると考えだった。
 虎太はとうとうリツコに気持ちを打ち明けるが年下の虎太を弟の様しかみれない、自分の気持ちは剣持にあることを告げられる。
 それを聞いていた剣持は自分の恋人麻美の元へと消える。
 剣持が消えて取り乱すリツコを観て虎太はショックを受けるのだった…
 そんな時にプロテストが行われる。
 実力を発揮し16秒で相手をKOしてテストに合格する虎太。
 それを見ていた番場鋭二という男が現れ、強引にプロテストの実技試験を受け13秒で相手をKO!
 そして、虎太はデビュー戦を番場と戦うことになる。
 負け続ける事を宣言した虎太のやる気を出さすために桜庭はリツコをリングサイドに座らせた。
 策略と知りながらも惚れた女の前で負ける姿を見せたくない虎太はやる気を見せ番場に猛烈な攻撃を見せノックダウンを奪う。
 しかしそれは番場の作戦だった…
 猛烈に攻め込む虎太の攻撃を見切りカウンター一発で虎太をKOで葬る番場!
 意識を失い病院で目覚めた虎太は仲間の居る牧場へと向かう。
 仲間と戯れてはいても以前のように楽しめない自分がいるのに気づく虎太。
 そう、虎太はもう拳闘の世界でしか生きていけない自分に気づき桜庭のジムに戻る。
 そこでは、剣持に失恋し荒れたリツ子がボクシングの練習がうるさいからやめろと兄に突っかかっていた。
 それを見た虎太はリツ子をひっぱたきそんな姿は観たくなかったと告げるのだった。
 そして、桜庭にはこのジムをやめて他に移ることを継げてジムを後にする。
 色々なジムに出向きスパーで実力を見せながらもなぜか相手から移籍を断られ続ける虎太・・・
 そう、ほかのジムの会長は桜庭に遠慮をして虎太を引き受けなかったのだった。
 仕方なしに桜庭の元でボクシングを続ける虎太だったが、無論最初の思惑通り、負け続ける。
 そんな虎太の姿をテレビでみた剣持は恋人の麻美を置いて消えてしまう。
 虎太のやる気のない姿を見て桜庭はあることを告げる。
 リツ子が虎太を見る目が変わったと言うのだ。
 虎太はリツ子と話をし、虎谷にひっぱたかれたことで目が覚め虎太への自分の気持ちに気づいたと告白。
 それを聞いて俄然やる気を出す虎太!
 その頃剣持は関西に移り、ジムの道場破りを敢行し実力を証明しそのジムからホープとして売り出されることに!
 虎太と剣持は東西の新人王で勝ち進んでゆくのだった。
 しかし、東日本の決勝戦の相手は一度KO負けをきっした番場。
 この対決を必死の攻防で戦い、ダワブノックダウンを喫するもギリギリ立ち上がった虎太が勝利するのだった。
 その試合を会場に見に来ていた剣持はなぜか顔があざだらけだった。
 不審に思った虎太が後をつけると剣持はヤクザに痛めつけられていた。
 ヤクザの後を追い叩きのめしてなぜ剣持を痛めつけたか聞くと全日本新人王戦、つまり自分との対決で八百長を強いられているのだった。
 剣持は虎太との友情を守るために全力で戦うために八百長を拒否していたからアザだらけになっていたのだ。
 それを知った虎太は八百長を強制したヤクザの親分の家に殴り込みをかける。
 門の前では桜庭が待っていた。
 とめてもやめるわけがない虎太の助っ人を申し出て二人で殴り込みをかけ大暴れ!
 とうとう二人で親分を追い詰めるのだった。
 しかし、親分は隠し持っていた猟銃で2人を狙う。
 二人が殴り込みをかけてきたのでこれで撃っても正当防衛になるとのたまう親分!
 そこで、いきなり剣持がが現れ日本刀で親分と刺し違え自分も親分の凶弾で倒れてしまう。
 虎太が抱きかかえると剣持は言う
 「最後にもう一度あの天馬が丘の空を見たかったぜ…」
 絶命…
 後日剣持の遺灰をもって天馬が丘に行く虎太。
 それを見ながら妹に今は女が入って行かん方が良いと諭す桜庭。
 遺灰を天馬が丘の空に掲げながら泣く虎太・・・・・
                                    (完)
 
 
 正直、この漫画ボクシング始めるの遅すぎるし、(伏線は最初のほうからはられてた)女に格好つけたいからやる気出したり、あてつけにわざと負けたりする主人公に共感しにくいな…
 それでもまぁ剣持との友情物語として見てもえぇけどヤクザに殴り込んで二人のボクシングの対決はなしのまま最後は任侠映画のごとく終わってしまう(苦笑)
 梶原も後半ダメになってすぐにやくざ出したりしてたけどこれはちょっとボクシング自体がおろそかというかボクシングをする必然性が感じられない…
 桜庭が元ボクサーということで物語がボクシングに向かっていく予兆を見せながら遠回りしすぎて結局ボクシング自体を深く描くことなくやくざ漫画のノリで終わったのでボクシング漫画というカテゴリーには正直入れるような漫画ではないんでしょうなぁ…
 コレ一本で決めるのもなんやけどやっぱり漫画原作者としては兄貴、梶原一騎には及びもしませんでした。