FIGHTING COCK ファイティングクック
今回はあだちつよし先生のファイティングクックの紹介を。
松丸辰吉は元日本王者の人気ボクサーだったが今は弱小スポーツメーカーの営業。
同じ車両でヤクザ風の男を頭突き一発で車外に吹き飛ばす若者と遭遇!
それが、この漫画の主人公、望月鶏一。
旧知の中だった所属ジムの笹本会長とイメージキャラの話は成立、後楽園ホールを後にしようとしている松丸の前に電車の中で出会った若者、鶏一が。
そしてイメージキャラクターのボクサーに蹴りを入れた後パンチ一発で顎の骨を割り失神させるのだった。
松丸は鶏一の身分証明書を偶然拾い、警察に連行された鶏一の叔父と偽り鶏一を釈放させる。
知らないおやじに助け出された鶏一は一応は礼を言うが松丸はプロボクサーを一発でKOした鶏一に興味を持ってしまう。
どの程度できるか見るために殴ってこさせたが不意を突かれ吹っ飛ばされる松丸。
そしてそのパンチに惚れ込むのだった。
次の日に、イメージキャラクターの企画がボクサーの負傷でなくなった為に笹本ジムに話をしに行く松丸だったがまた鶏一が登場、そこで一騒ぎ起こした後、ラーメン屋にしけこむ鶏一と連れの若者。
そこへ松丸は一緒に飯を食べて連れの若者からなぜ鶏一がボクサーを殴ったかの真相を知るのだった。
鶏一が付き合ってた女性が昨日のボクサーとそいつが所属する暴走族のリーダーにレイプされてぐれたらしくその仇を打つためだったのだ。
そして、暴走族のリーダーを倒すために集会に殴りこむ鶏一!
そこでリーダーの対馬真と対決!
強烈なカウンターをもらいダメージを受け意識朦朧となった鶏一は対馬にボコボコにされる。
松丸は鶏一の手当てをし、鶏一に告げる。
「あいつはボクサー、3ヶ月であいつ五分の試合ができるようにしてやる!」
次の日から鶏一は性懲りもなく毎日対馬の学校に乗り込んではボコボコにされていた…
腫れた顔で松丸と待ち合わせの場所に参上、そのままパブリックジムへ。
そこでプロボクサーとスパーをすることになる鶏一。
そして、パンチをウェービングやフットワークで避け、相手を失神させてしまう鶏一!
教えてもいないのにボクシング技術を身に着けている鶏一に驚く松丸だったが、毎日対馬と戦う事によって動きを覚えていたのだった。
そうして、鶏一は松丸とのコンビでボクシングの練習に集中していく。
そして2か月が立ち、松丸が対馬に鶏一とのスパーリングをとりつける。
そして決戦の時、対馬の高校に乗り込む二人。
ゴングが鳴らされ鶏一の成長に驚く対馬。
まずは鶏一が対馬からダウンを!
対馬が本気をだし、滅多打ちに合う鶏一。
朦朧とした意識の中で鶏一はモトクロスバイクに情熱を燃やしていたが事故で亡くなってしまった兄を思い起こす。
命を賭けるモノを持っていた兄貴と同じモノを自分で見つけたことを鶏一は認識したのだ。
しかし鶏一には対馬を上回るものがあった、闘争心!
最後には対馬をノックアウトする鶏一!
スパーリングをするために対馬の学校のリングへ。
対馬は鶏一と戦い気迫で負けた自分はプロに行くべきではないと感じ、このスパーリングを自分のボクシングの総決算にするつもりだったのだった。
ある日ジムに行くと上のジム(鶏一の所属するジムはパブリックジムで上には丸海老ジムと言うジムがある、つまり角海老ジムと全日本パブリックジムをモデルにしてる)に人だかりが。
メキシコからの輸入選手、アレックス・サンチェスがスパーリングをしていたのだ。
サンチェスはアマで実績を上げプロ転向し12戦12勝12KOのホープ。
サンチェスにスパーリングを挑んだ鶏一はスマッシュ(フックとアッパーの中間の位置から放つドノバン・ラドックと言うタイソンと二度試合をしたカナダの選手が使ったパンチ、名前の由来はらどっくがテニスもしてたから)を間一髪で避けるがヘッドギアが吹き飛ぶのだった…
会社を辞め嫁とも別れボクシング(鶏一)にのめり込む松丸。
そしてとうとう鶏一のデビューの日が。
鶏一の相手は反則上等の元キックボクサー。
試合前に1ラウンドKO予告をする鶏一!
相手は怒って得意のひじ打ちをしてくるが鶏一はものともせずワンパンチKOで予告を実行するのだった!
そして鶏一は新人王トーナメントに出ることに。
第一戦目にあたるのはトーナメント優勝候補でアマエリートだった天才と噂される、神楽伸。
その神楽との試合、1ラウンドに強烈なダウンを奪われ何とか立ち上がるものの意識を飛ばされる鶏一!
何とか1ラウンドを持ちこたえた鶏一に松丸はケンカで行けと指示。
得意の喧嘩殺法で強引に攻め込む鶏一だったが神楽は並みのボクサーではない、異常なタフネスで持ちこたえるものの鶏一は劣勢…
しかしひるむことなく向かってくる鶏一に神楽は不安を感じ始め、鶏一の奇襲攻撃に思わず生まれて初めてのダウンを喫す。
プライドを傷つけられた神楽は切れて反則を。
場内からはブーイングが起こるがレフェリーが減点を取ってる隙に鶏一も神楽を投げ飛ばして荒れる試合!
天才と言われた自分がここまで本気で熱くなれた事を喜ぶ神楽、セコンドは神楽の気持ちをくんでポイントアウトではなくフィニッシュを指示。
強烈な打ち合いで鶏一が神楽を3ラウンドでノックアウトするのだった!
これで俄然注目を浴びるボクサーになった鶏一だったが新人王の次戦、油断からか1ラウンドにダウンを…
コーナーで松丸と大喧嘩を繰り広げ目が覚めて2ラウンドあっけなくKO勝ちする。
新人王トーナメントを勝ち上がっていく鶏一。
もう一方のブロックを勝ち上がってきているのは沖縄出身で黒人とのハーフ田辺一(カズ)。
東日本新人王決定戦でぶつかることになる二人。
田辺のトレーナーは世界王者等を作り上げてきた名伯楽と言われる彦坂。
田辺はテクニシャンのアウトボクサー、喧嘩屋の鶏一とは対照的なボクサーのはずだった。
しかしゴングが鳴って打って出たのは田辺!
田辺は混血、貧乏、いじめなどのつらい人生を歩んできた男だったがその怒りをパワーに鶏一にぶつけてきた。
壮絶な打ち合い、ダウンの応酬でシーソーゲームが繰り広げられる。
しかし世間への怒りで自分と言う相手を見ていない田辺に戦ってる俺をを見ろ!と吠える鶏一。
そして連打をたたき込みグロッキーに追い込むとセコンドの彦坂がタオルを投げ勝負がつく。
通すがりの喧嘩で大人数に囲まれた男の助っ人に入った鶏一、しかし助っ人をした男に殴られ失神・・・
その男は現日本王者の芦原博信だった。
意識を取り戻して後楽園ホールに向かうと芦原が挑戦者をものともせずにノックアウト。
えげつない強さにしびれた鶏一は控室に、しかし試合直後の控室で芦原は女と寝るような野獣だった(笑)
しつこくつきまといスパーリングを承諾させる鶏一。
スパーリングで芦原の強さを肌で感じリングで戦う相手達はかつて喧嘩をしていた相手とは違う”本物”であることを実感するのだった。
そして失神させられる、鶏一。
しかし鶏一に見えてるのは芦原の姿だった。
勝ち続けている鶏一、しかし目標の芦原は世界タイトル挑戦が決まる。
相手は統一ライト級王者カルロス・ロペス、38勝32KO無敗の化け物である。
ロペスに挑む芦原、しかし実力の差は歴然…
ダウンを食らいタオルを入れようとする芦原のジムの会長を止める鶏一。
「芦原のおっさんの目は死んでねぇ~!」
結局最後まで持ちこたえるが大差判定で負ける芦原、リングから降りた芦原が鶏一に
「今度はお前の番だ」と告げる。
引退した芦原が返上した日本タイトルを丸海老ジムの輸入選手でスパーリングをしたこのあるアレックス・サンチェスと争う事に。
上位の選手がサンチェスの強さにビビリ6位の鶏一にチャンスが回ってきたのだ。
サンチェスは芦原が叩きのめされた無敵の王者カルロス・ロペスからスパーリングでダウンを奪っているつわもの。
大方の予想もサンチェスのKO勝利だった。
そして試合も芦原Vsロペスと同じような展開で鶏一はダウンを繰り返す。
しかし、フィニッシュを狙ってスマッシュを放ったサンチェスの顎に起死回生の鶏一のパンチが!
そのまま失神、逆転KOで日本王者になる鶏一!
松丸が言う、世界王者になれるかは自分を信じれるかどうかだと。
鶏一はその自分を信じる気持ちだけなら統一王者にだってなれると。
(完)
この漫画本当に残念ながら途中で終わってます…
最後の日本タイトル決定戦はバタバタと駆け足で試合のページ数も少なかった。
でも、作者がボクシング、格闘技マニアなので所々にニヤリとさせられる解説やエピソードが折りこまれてる。
あんまりボクシング知らない、好きでもない漫画家が編集部の意向でボクシング漫画を描くとルールはデタラメ、ボクサーへのリスペクトは皆無、付け焼刃な知識で逆にしらけさせる場合がある。
でもあだちつよし先生はボクシングを愛してますなぁ~
でもマニアが描くとついついリアリティにこだわって話が地味になったり派手さがなくて読者受けが悪かったりしてしまう場合もある。
この漫画はボクシング漫画としては王道のやんちゃな喧嘩野郎がひょっとしたきっかけでその魅力にはまりこんでいく黄金パターン(笑)
でも主人公に魅力がないと凡百のつまらないボクシング漫画と同じように変わり映えしなくなる所をさすがにベテラン漫画家主人公の魅力で引っ張っていく。
返す返すも途中で終わってるのが残念なボクシング漫画です。
それはなぜかと言いますと
そしてこれが最近描かれた玉城さん!
格好えぇ~~~!!!
あだち先生、勝手に使わせてもらいましたすいません・・・