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浪速のロッキーを<捨てた>男 稀代のプロモーター津田博明の人生

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故津田会長のノンフィクション「浪速のロッキーを<捨てた>男」発売

 大阪の名門・グリーンツダジムを興し、世界王者2人を育て上げた故津田博明会長の人生を追ったボクシングファン注目のノンフィクション「浪速のロッキーを<捨てた>男 稀代のプロモーター・津田博明の人生」(浅沢英著、角川書店、税別1700円)が25日に発売になった。
 大阪・西成の地でボクシングの世界に足を踏み入れ、“浪速のロッキー”赤井英和との出会いに始まり、裸一貫から一代で西日本屈指のジムを築き上げた津田会長。後に井岡弘樹山口圭司という2人の世界王者を輩出し、“浪速の闘拳”亀田興毅をデビューさせて売り出したプロモーターとしても有名だが、本書はすべての出発点となった赤井との歩みに焦点を注ぐ。
 プロデビューからの連続KO勝利とともに関西で巻き起こった赤井への熱狂と新興ジムの隆盛。チケットは飛ぶように売れ、世界王座奪取への期待が過熱する中で、その裏側に隠されていたものとは。2007年2月に他界した津田会長への生前のインタビュー、当時を知る関係者への綿密な取材から描き出す。
 著者は長年、関西のボクシング界の取材を続けてきた浅沢英氏。「ファイトマネーをめぐる確執は表層の事実に過ぎない。すれ違う人間模様を通して人生の奥深さを描きたかった」と18年を費やした渾身の作品について語っている。

  アマゾンで注文してたら4月30日発売なのに20日に来た。
 それで一気に読みました。
 グリーンツダの会長である津田会長の話やから赤井さんで有名になって井岡弘樹さん、山口圭司を世界王者に育て上げ、日本初の5大タイトルマッチの興業を打つ、とかそう言う栄光の時とかも書かれると思ってましたが、この本は赤井さんと津田会長の確執を掘り下げて書いてる、と言うか題名通りそのことについて書かれてる本です。
 赤井さんが現役時代に突然コミッションに引退届を出して失踪したことがあって「赤井英和失踪事件」として当時かなり騒ぎになったみたい、オイラは子供の頃で覚えてませんが。
 
 オイラがいたころのツダジムの事は一切書かれてない。
 津田会長の生い立ちから始まってボクシングにかかわっていく過程を丁寧な取材でたどっていく。
 そして赤井さんとの出会い。
 赤井さんは全然、ボクサーとして全然評価できないとマニアの友達が言うてた…
 それでも、試合相手を選べない新人王戦でオールKO、それに決勝は後に世界戦を二度行った尾崎富士夫を倒してるからオイラはそれだけでもすごいと思うんやけどマニアの中での評価は低いのだ…
 でもそれを一番わかってたのも津田会長なんですな…
 赤井さんはグリーンツダジム(当時は愛寿ジム)の初のプロボクサーだったというのは聞いてたし赤井さんの自伝なんかで赤井さんの方から津田会長に教えてくださいと言った事など書かれてたので知ってたけどその前に津田会長はめちゃくちゃ可愛がってた才能あるマイボーイがおったことは初めて知った。
 あしたのジョーで段平が丈の才能に目を付けて育てたように津田会長は赤井さんの才能に惚れ込んで育て上げたわけではなかったのだ。
 津田会長の言う、「赤井おっての津田ちゃう、津田おっての赤井や」と言うセリフ…
 自分が作りあげた偽りのスターと言いたげな言動に津田会長のプライドが見え隠れする。
 津田会長にしてみれば「俺が作りあげ立ったんや」って気持ちばかりがあったんでしょうな。
 ただ、オイラは赤井さんの作り上げられたわけではない生まれ持ってのスター性というのは絶対にあったと思ってる。
 津田会長は赤井さんの後に世界王者、東洋、日本王者は作ってるが赤井さん以上のスターはグリーンツダジムからは出ていない。
 津田会長は赤井さんの生粋のスター性と言う部分は認めたくなかったんかな?
 それと赤井さん以降のツダジムのボクサーで試合の面白さで人気を博したボクサーも実際いない。
 それどころか、ボクシング界から芸能界へ、ボクサーで芸能界に進出して本当に成功してるのはガッツ石松、赤井さんだけでしょう。(まぁ最近は具志堅もかなり追い上げてるけど俳優としてはこの二人だけ)
 ただ、現役時代から思ってた事なんやけど赤井さんはKO,KOで売りだして試合が面白かったけどそれ以降のツダジムが輩出した選手は試合のおもしろさは二の次、勝つボクシングに徹した素人目にはあまり面白くないファイトをする選手が多かったように思う。
 先輩、友達、後輩の試合が面白くなかったというのはちょっと嫌な言い方になってしまうのだが、一ファンとして考えた時はそれを強く感じたものだったのだ。
 ただ、オイラは先輩や後輩の試合を本気で応援していつもタイムキーパーしてたから無我夢中やったんやけど。
 あんまりこの本の内容を詳しく書いても良くないやろうと思って考えをちょっと書いてみたけどあまりこの本の宣伝にならないような感じがしてきたのでもうやめときます…
 いつも本の紹介の時は内容をずらずら書いてるだけ(絶版で手に入らない本が多いというのがその理由)ですがレビュー書くのは難しいですな…
 
 なにしろ読みごたえがあった。 
 浅沢さんの取材力と言うんでしょうかそういうのには本当に感心しました。
 グリーンツダの選手は読むべきでしょうし、ボクシングファンだけでなく人間の複雑な感情、生き様を正面から書いた本なのでいろんな人に読んでもらいたいです。